農業研究本部

アロニアのクロハススジハマダラミバエ

平成17年9月上旬、大滝村において収穫時期のアロニア果実内部をハエの幼虫が食害する被害が発生した。体長4mm程度、乳白色の幼虫が果実内部を食害し(写真左)、9月上旬以降の収穫果から脱出した。多発園地では収穫果100果から20〜30頭の幼虫が脱出した。脱出幼虫は身体を屈伸させてはね跳ぶ行動を示し、野外では土中で蛹になるものと考えられる。蛹は淡黄色俵状で、前気門は12〜15個の小瘤が不規則な2列に配置し、ゆるい弧を描く(写真右上)。9月下旬に蛹化した蛹からは10月中旬以降成虫(写真右下)が羽化し、成虫の形態によりミバエ科のクロハススジハマダラミバエAnomoia permunda (Harris)と同定された。成虫は体長3〜4mmで頭部・脚は黄褐色、胸・腹部は暗褐色で、翅は基部が暗褐色で微細な透明斑があり、先端付近は透明で暗褐色の弧状紋を2本もつ。海外における既知の寄主植物はバラ科のナナカマド属、サンザシ属、コトネアスター属である。 

 (中央農試予察科)

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