そばのツマグロアオカスミカメ
平成17年8月、空知管内深川市のそばほ場で、開花率が極端に低いという症状が発生した。多くの花蕾は褐変枯死し(写真左)、枯死していない花蕾は花弁に多数の褐点が認められた。被害株にはカスミカメの幼虫(写真右上)が認められたことから空知北部地区普及センターが発生ほ場ですくい取り調査を実施したところ、多数のカスミカメ(写真右)が得られ、ツマグロアオカスミカメと同定された。得られた成虫を中央農試内のそばほ場で花蕾に袋掛け接種しても同様の症状は再現されなかったことから、深川市で発生した開花不全の原因が本種による吸汁被害である確証は得られていない。ただし、カスミカメムシの中には、開花・結実期の植物から好んで吸汁する種類が知られている。
(中央農試予察科)