農業研究本部

ブルーベリーのオウトウショウジョウバエ

 平成17年9月、富良野市で果実内部がウジ状幼虫に食害を受けた。羽化成虫によりオウトウショウジョウバエ Drosophila suzukii (Matsumura)と同定された(中央農試 岩崎)。本種は、成虫は体長約3mm弱、暗黄褐色。雄は後方に向かって多少とも暗色となり、翅頂近くに小黒紋を有す。雌の尾端にある産卵器の下縁には、鋸歯状突起が並ぶ。卵は乳白色、長径0.5mm内外で2本の糸状突起(矢印)を伴う。幼虫は体長6mmに達し白色のウジ状。オウトウでは、産卵は果実の着色が始まってからで、熟果に多く、肥大中の幼果には認められない。キイチゴ、モモ、サクラ、ブドウ等の熟果に寄生することも知られている。本種に対する登録農薬は合成ピレスロイド系の一剤に限られる。被害軽減のために、適期収穫を行い、発生源になる取り残された果実や被害果などは放置しない。

(花野菜技術センター)

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