農業研究本部

ほうれんそうのヒメモグリハナバエ

 平成14年6月(厚真町)、20年6月(北見市)に、ハウス栽培ほうれんそうの葉の内部を袋状に食害するハエの幼虫(ウジ)が発生し、加害種はヒメモグリハナバエPegomya flavifrons (Walker)(ハナバエ科)と同定された(北海道大学諏訪正明名誉教授)。
ほうれんそうに同様の症状を生じさせる害虫の内、アカザモグリハナバエ、テンサイモグリハナバエは、脚の一部または全体が黄褐色(ヒメモグリハナバエは黒色)で、囲蛹尾端に顕著な肉状突起をもたない(ヒメモグリハナバエは肉状突起をもつ)。本種同様黒色の脚をもつハコベハナバエは雌成虫の頭部に額帯交叉剛毛をもち(ヒメモグリハナバエは額帯交叉剛毛をもたない)、いずれも本種との識別が可能である。本種の寄主植物はこれまでハコベ類のみが知られており、ほうれんそうに加害した事例はこれが初めてである。

(中央農試・北見農試)

戻る     次へ