農業研究本部

鉄欠乏

微量要素の欠乏症

症状の特徴

1)鉄は極めて移行性が低いために上位葉(写真1,2)や側枝の先端葉(写真3)などの新しい葉の全面に黄化症状が発生する。

発生しやすい条件

1)土壌pHが高い圃場や、リン酸肥料を過剰施用した場合に発生し易い。

2)マンガン、銅、亜鉛などの重金属の過剰により鉄欠乏が誘発されることがある。

紛らわしい障害(関連の障害参照)

・新しい葉に黄化症状が生じる点がカルシウム欠乏の症状に似る。カルシウム欠乏(写真)では葉縁から徐々に黄化症状が発生し、葉中央の葉脈周辺と葉脈の緑は残るが、鉄欠乏では葉全面に一斉に黄化症状が発生する。

・重金属の過剰で鉄欠乏が誘発されるが、過剰に伴う他の症状も現れることがあるので、単純な鉄欠乏と識別できることもある。

上位葉のカルシウム欠乏症状

写真 上位葉(新しい葉)に現れたカルシウム欠乏。

生育初期の鉄欠乏

写真1

生育初期に現れた鉄欠乏。上位葉(新しい葉)が退色している。
(3葉期−Fe2週目)

生育中期の上位葉黄化症状

側枝先端葉の症状

写真2

生育中期における上位葉の葉全面に現れた黄化症状。
(3葉期−Fe4週目)

写真3

側枝先端葉の症状。
(3葉期−Fe4週目)


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