農業研究本部

軟腐病

病害(細菌)

症状の特徴

1)株全体ないし一部の茎葉が急に萎ちょうして枯死する(写真1)。

2)茎では初め暗緑色水浸状の病斑(写真2)が生じ、やがて軟化し、腐敗する(写真3)。病斑部では強烈な悪臭を放つ。

3)つる枯病の茎部の病斑に見られるようなヤニ状の粘着物の形成は認められないが、つる割病と同様導管部が褐変する。

4)果実では水浸状に軟化し、腐敗する(写真4)。腐敗の進行に伴いしばしば泡が罹病部位より流出する。

5)罹病部を顕微鏡でみると病原細菌(Erwinia carotovora subsp. carotovora)の菌泥が検出される(写真5)。

発生しやすい条件

1)潅水や降雨後などの湿潤状態のときに多発する。

2)排水不良圃場や浸水しやすい低地圃場で発生しやすい。

紛らわしい障害(関連の障害参照)

・茎における初期病徴がつる枯病の病徴に似る。

軟腐病の発生状況

茎の初期病徴

写真1

発生状況(角野原図)。
株全体ないし一部の茎葉が急に萎ちょうして枯死する。発病株は強烈な悪臭を放つ。

写真2

茎の初期病徴(角野原図)。
初め暗緑色水浸状の病斑が生じる。

軟化、腐敗状況

写真3

やがて軟化し、腐敗する(角野原図)。


果実の病徴

罹病部位における病原細菌の菌泥

写真4

果実の病徴(角野原図)。
水浸状に軟化し、腐敗する。腐敗の進行に伴い泡が罹病部位より流出する。

写真5

罹病部位における病原細菌の菌泥
(矢印)(宮島原図)。


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