農業研究本部

多量要素の過剰症状

窒素過剰

症状の特徴

1)生育初期の窒素過剰では上中位葉にリン欠乏症(写真7)に類似した葉先の白色化症状を発現したり(写真26)、上位葉の葉縁部にはカルシウム欠乏症(写真14)に類似した黄化と切り込み状に裂ける症状を現すこともある(写真27)。

2)生育中期以降の窒素過剰では初期段階で生育初期の欠乏と同様に葉先縁が白色化する症状が上中位葉に現れる。

3)やがて中下位葉にはカリウム欠乏症に類似した葉先縁から内側に向かって葉脈間に黄化症状が現れ、壊死斑へと変化する葉先縁枯れ症状が発現し、収穫期になるとその症状は中位葉で激化する(写真28)。しかし、症状の発現しない葉身は暗緑色を呈する。

4)窒素過剰の雌穂には先端部に裂粒がみられたり、一部に穂腐れも観察される場合がある(写真29)。

発生しやすい条件

1)施肥などで窒素を過剰に供給した場合に発生が見られる。

窒素過剰の症状(画像をクリックすると拡大されます 原図15〜33KB)


葉先の白色化(上中位葉)
写真26 上中位葉の葉先に発現した白色化症状。(4葉期 +N 6.5週目)



葉縁が裂ける(上位葉)
写真27 上位葉の葉脈部に発現した黄化と切り込み状に裂ける症状。
(8葉期 +N2週目)



葉先縁枯れ(中下位葉)
写真28 中下位葉に発言した葉先縁枯れ症状。窒素過剰に伴うカリウム欠乏の誘発。
(9葉期 +N4週目)



穂腐れの発生
写真29 雌穂中央部に穂腐れが観察される。(9葉期 +N6.5週目)

目次へ戻る