農業研究本部

多量要素の過剰症状

カリウム過剰

症状の特徴

1)生育初期のカリウム過剰では、窒素過剰でも観察されたように初めカルシウム欠乏症(写真14)に類似した黄化症状が上位葉の葉縁部に発現し、その部分に切り込み状に裂ける症状が現れる(写真33)。しかし、その症状は軽微で、生長の抑制は認められない。

2)生育中期以降のカリウム過剰は中下位葉の葉先の先端部と葉脈間の一部に黄化症状を発現し、壊死斑へと変化する症状を僅かに現すが、株全体的には異常が少なく、濃緑色を呈する(写真34)。

3)カリウム過剰の雌穂には穂先側半分に不均一な不稔障害が見られる場合がある(写真35)。

発生しやすい条件

1)牛糞尿を多量に混入した堆厩肥を多量施用したり、施肥などでカリウムを過剰に供給した場合に発生が見られる。

カリウム過剰の症状(画像をクリックすると拡大されます 原図16〜35KB)


葉縁部の黄化と奇形(上位葉)
写真33 上位葉の葉縁部には黄化と切り込み状に裂ける症状が現れる。
(8葉期 +K2週目)



障害は全体に軽微
写真34 株全体的に異常が少ないが、過剰供給が続くと
中下位葉の葉先と葉脈間の一部に黄化症状が現れ、壊死斑へ変化する。
(9葉期 +K4週目)



穂先半分が不稔
写真35 穂先側半分に不均一な不稔障害が観察される。
(9葉期 +K6.5週目)

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