農業研究本部

微量要素の過剰症状

銅過剰

症状の特徴

1)銅過剰の地下部は主根が太く、短くなり、側根の伸びは著しく悪化する(写真59)。

2)一方、地上部はいずれの生育ステージにおいても発症初期から生育が著しく抑制され、株全体が淡緑化し、上中位葉には葉脈間に黄白化症状を発現したり、小葉化が観察される(写真60、62)。やがて中下位葉ではスイカ、メロン、トマトなどで見られたような葉身部の巻き上がり症状が見られ、しおれが観察される(写真61)。

3)これらの症状は銅過剰により根の伸長と活性が著しく阻害されたことにより、他の要素の吸収が抑制されたために起きたものと考えらる。

4)生育中期以降の銅過剰では雄穂は抽出するが、雌穂の抽出は不全となる(写真62)。

発生しやすい条件

1)銅含量が高い土壌。特に土壌が酸性化した場合、発生しやすい。

銅過剰の症状(画像をクリックすると拡大されます 原図16~47KB)


根の奇形
写真59 主根は太く、短い。側根は伸長が著しく悪化する。
(9葉期 +Cu6.5週目)



株の淡緑化と葉のしおれ
写真60 株全体が淡緑化し、しおれた感じとなる。
上中位葉では葉脈間に黄白化症状を発現する。
中下位葉の葉身には巻き上がり症状が現れる。
(4葉期 +Cu5週目)



葉の巻き上がり(中下位葉)
写真61 中下位葉では葉身が巻き上がり、しおれが著しい。
(9葉期 +Cu5週目)



雌穂の抽出不全
写真62 生育中期以降の銅過剰では雄穂は抽出するが、
雌穂の抽出は不全となる。(9葉期 +Cu4週目)

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