農業研究本部

微量要素の過剰症状

亜鉛過剰

症状の特徴

1)亜鉛過剰はいずれの生育ステージにおいても初期段階で上中位葉に葉脈の緑色を残しながら葉脈間が黄白化する鉄欠乏症を誘発する。(写真63)

2)やがて中位葉の葉身片側には葉脈の緑色を鮮明に残しながら葉脈間に筋状の黄化症状(写真64)が発現し、その症状は次第に帯状の壊死斑(写真65)へと変化する。

3)亜鉛過剰症状は多くの作物で生育抑制を示すが、外見上の特徴的な症状を示さないことが多い。スイートコーンでは初め上位葉に鉄欠乏症を誘発し、やがて中位葉の片側半分の葉脈間に黄化症状を発現し、帯状の壊死斑へと変化するのが特徴的である。

発生しやすい条件

1)亜鉛含量の高い土壌。特に土壌が酸性化した場合、発生しやすい。

亜鉛過剰の症状(画像をクリックすると拡大されます 原図16~22KB)


葉脈間の黄白化(上中位葉)
写真63 上中位葉には葉脈の緑色を残しながら葉脈間が黄白化する症状を発現する
(鉄欠乏の誘発)。(5葉期 +Zn4週目)



葉脈間の筋状黄化(中位葉片側)
写真64 中位葉の葉身片側の葉脈間に筋状の黄化症状が発現する。
(9葉期 +Zn1.5週目)



葉脈間の帯状壊死(中位葉)
写真65 やがて筋状の黄化症状は帯状の壊死斑へ変化する。
(9葉期 +Zn4週目)

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