農業研究本部

微量要素の過剰症状

ホウ素過剰

症状の特徴

1)ホウ素過剰ではいずれの生育ステージにおいてもすぐに異常を示すことがないものの、過剰が続くと中下位葉にはリンの過剰供給で誘発されたカリウム欠乏症(写真31)に類似した葉先縁枯れ症状が現れ、葉中のリン濃度の上昇とカリウム濃度の低下が起きる(写真66)。

2)ホウ素過剰の雌穂は湾曲などの奇形が多く、先端不稔や列状の不稔も観察される場合がある(写真67)。

発生しやすい条件

1)ホウ素を過剰に施用した場合。北海道の畑作地帯ではホウ素欠乏対策としてホウ素を多量に施用したテンサイ圃場の後作大豆にホウ素過剰の発生例がある。

ホウ素過剰の症状(画像をクリックすると拡大されます 原図34~36KB)


葉先縁枯れ(中下位葉)
写真66 中下位葉に発現した葉先縁枯れ症状
(リン濃度が上昇しカリウム濃度が低下する)。
(9葉期 +B4週目)



雌穂の奇形(湾曲)
写真67 雌穂は湾曲などの奇形がみられると共に、
先端不稔と列状の不稔が観察される。
(9葉期+B6.5週目)

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