農業研究本部

微量要素の過剰症状

ニッケル過剰

症状の特徴

1)ニッケル過剰は初期段階で中下位葉の葉脈間に無数の白色小斑点を不規則に発現する(写真68)。

2)症状が進行すると、葉身の裏面にも白色小斑点が観察されるようになる。

3)過剰が続くと中下位葉にはリンの過剰供給で誘発されたカリウム欠乏症(写真31)に類似した葉先縁枯れ症状を僅かに発現し、葉中のリン濃度の上昇とカリウム濃度の低下が起きる(写真69)。

発生しやすい条件

1)ニッケルを多く含む蛇紋岩(じゃもんがん)を母材とした低地土。北海道におけるニッケル過剰の発生は、上川地方に存在する蛇紋岩地帯のキャベツやダイコンで報告されている。

ニッケル過剰の症状(画像をクリックすると拡大されます 原図14~26KB)


無数の白色小斑点(中下位葉)
写真68 中下位葉の葉脈間に無数の白色小斑点を不規則に発現する。
(4葉期 +Ni3週目)



葉先縁枯れ(中下位葉)
写真69 中下位葉に葉先縁枯れ症状を僅かに発現する
(リン濃度の上昇とカリウム濃度の低下がみられる)。
(4葉期 +Ni6.5週目)

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