農業研究本部

03-15 淡色黒ボク土(03E)

(火山放出物未熟土)

渡島管内八雲町熱田、野草地、1991

 これから以降の黒ボク土は、いわゆる粗粒火山灰土壌で、北海道方式の分類では火山放出物未熟土と呼ばれています。胆振、日高、渡島管内に多く分布しています。最近1000年以内に噴火した、各種粒径の軽石、あるいは灰からなる新しい土壌ですが、下層には古い火山灰や沖積、洪積土壌が
出現することもあります。リン酸固定力は弱いですが保水性、保肥力が劣り、養分も乏しい土壌です。改良策は、堆きゅう肥などの投入、石灰、リン酸質資材の施用の他、下層土の理化学性が良好の場合は、混層耕を行います。この地域では草地、畑地として利用されています。
この断面は駒ヶ岳系の粗粒火山灰からなり、表層0-20cmは主に駒ヶ岳d層(Ko-d、1640年噴出)の腐植層、20-40cmはKo-d層の非腐植層(軽石)です。40cm以下は腐植が多量に集積しており、これはKo-e層(1700年前、ただし噴出源は駒ヶ岳ではない可能性が高い)と思われます。