農業研究本部

03-16 淡色黒ボク土(03E)

(火山放出物未熟土)

胆振管内早来町富岡、林地、1985

 道央の代表的な黒ボク土で、胆振地方を中心に広く分布しています。保水性、保肥力がなく、養分も少ないため、改良策として堆きゅう肥など有機物の投入、石灰、リン酸、微量要素などの資材施用が基本です。下層に理化学性が良好な土層(細粒質の火山灰、沖積層)が有る場合は混層耕が有効です。大型プラウで1m以上の深さまで耕起する場合もあります。粘土客土も行われます。
この断面は樽前系火山灰が累積した典型的なもので、上から順にTa-a(0-22cm),Ta-b(22-45cm),Ta-c(45-72cm腐植層,72-102非腐植層),Ta-d(102-138cm,腐植層,138-195cm非腐植層)となっています。上の2層が粗粒火山灰層で、Ta-cは軽しょう質、Ta-dの非腐植層は非常に風化が進んだ赤褐色の特徴的な軽石層です。過去4回の大規模噴火があり、Ta-aは1739年で遠く根釧地方まで分布し,Ta-bは1667年,Ta-cは2500~3000年前、Ta-dは8000~9000年前で,いずれも十勝地方まで分布しています。