農業研究本部

03-20 淡色黒ボク土(03E)

(火山放出物未熟土)

日高管内門別町広富、林地、1993

 胆振~日高地方に広く分布する粗粒火山灰土壌です。保水性、保肥力が劣り、養分も少ないため、改良策として有機物の投入、石灰、リン酸資材施用が基本です。下層に理化学性が良好な土層(細粒質の火山灰、沖積層)が有る場合は混層耕が有効です。粘土客土も行われます。この地域では主に畑地、軽種馬用草地として利用されています。
この断面は、樽前系粗粒火山灰の中に有珠系粗粒火山灰が挟在しているもので、門別町から新冠町にかけての、やや海岸よりの地域にしか見られません。最表部の腐植層はTa-a、Ta-b層(0-13cm)、次いで黄灰色のTa-b細軽石層(13-34cm)、灰白色の有珠b細軽石層(Us-b、34-38cm)、その下にTa-c層(38-49腐植層、49-66cm弱腐植層)、66cm以下は洪積層と思われます。有珠b層は1663年の大噴火時の降下軽石層で、以前はUs-cと呼ばれており、日高管内では門別、新冠、静内町にかけて分布しています。