農業研究本部

03-7 表層多腐植質黒ボク土

(黒色火山性土)

網走管内訓子府町、北見農試長期連輪作ほ場

 表土の腐植含量は非常に多いが、その厚さは30cm前後以下の火山灰土壌です。網走管内(訓子府町、女満別町、網走市など)に見られるものは十勝管内とは異なり、後述の03-13と同様に、台地上で軽石流堆積物やその2次堆積物が風化してできた母材の上に、火山灰が堆積したものです。このため作土は黒ボク土の性質を示しますが、下層は堅密なため排水不良を呈し、そのため作土に腐植が多くたまる特徴があります。なお、下層土に斑紋があってもその出現位置が深ければ、土壌分類上「多湿黒ボク土」には該当しません。この地域では畑地として利用されています。
排水の促進により湿害は回避可能ですが、作土の乾燥が進むと風害や、浅根性作物では干ばつ被害を受ける危険性も高まります。一般にリン酸肥沃度が低く(高いリン酸吸収係数、少ない有効態リン酸含量)、塩基や金属微量要素類も少ないため、土壌診断の活用が重要となります。