農業研究本部

03-9 表層腐植質黒ボク土(03D)

(黒色火山性土)

釧路管内浜中町姉別、1980

 腐植含量は多く、かつ腐植層の厚さは25cm程度で、構成火山灰は軽石、未熟灰質、軽しょう質、ローム質など様々です。一般に物理性は良好ですが、微量要素が少なく、軽石質の火山灰は保水性、保肥力が劣り、軽しょう質、ローム質は保水性は良いがリン酸固定力が強い傾向です。この地域では草地として利用されています。
この断面は主に摩周系火山灰からなり、30cmまで腐植層で、最表層は樽前a層、次いで矢臼別層(Ta-cの可能性、約3000年前)、摩周f1層の腐植層(13~30cm)で、カムイヌプリ系の火山灰(Ka-1a,2a)も混在しています。30cm以下90cmまでは腐植層はなく、6500年~7200年前に噴出した摩周系の火山灰が上から順にMa-f1,Ma-f3,Ma-g,Ma-h,Ma-i,Ma-jの6層が累積しています。特に、Ma-iはオレンジ軽石として、Ma-jは青灰色の灰として特徴があります。90cm以下のローム層はMa-lと思われます。