農業研究本部

04-1 厚層多腐植質多湿黒ボク土

(湿性厚層黒色火山性土)

帯広市北基松、防風林、1995

 軽しょう質、ローム質の古い火山灰が排水不良な土地に堆積し、長い年月で腐植が多量に集積した土壌です。十勝、根室管内に多く分布します。改良策として暗渠や有材心土改良耕などによる排水改良が第一です。また、リン酸固定力は強く、微量要素は少ないため、有機物の投入や石灰、リン酸質、微量要素資材の施用が重要で、心土肥培耕も有効です。このような土壌を十勝地方では湿性火山性土と呼んでいます。この地域では畑地として利用されています。
この断面は、前出の13-12(淡色黒ボク土)から約3Km東南方向の、やや排水不良の地形に存在します。深さ55cmまでは腐植層が連続しており、表層0-15cmは樽前系粗粒火山灰(Ta-a,b),15-32cmは軽しょう質のTa-c,32-55cmはTa-dの腐植層で、55-65cmはTa-dの風化が進んだ赤褐色の非腐植層,65-125cmは風化が進み粘土化した恵庭系(En-a)の各火山灰層が累積しています。