農業研究本部

05-1 腐植質黒ボクグライ土(05B)

(湿性未熟火山性土)

空知管内長沼町18区、水田、1988

 排水不良地に火山灰が堆積してできた土壌で、グライ層が存在するか、あるいは年間を通して地下水位が高い状態です。腐植質の黒ボクグライ土は全道的に分布はわずかで、石狩、空知、十勝管内に見られます。改良策としては暗渠の整備が第一で、有機物の施用、石灰、リン酸などの資材の施用も有効です。この地域では主に水田として利用されています。
この断面は沢地に形成されており、分解が進んだ粘土混じりの泥炭層の上に樽前系の粗粒火山灰が積もったもので、30cm以下からグライ層となっています。表層(0-30cm)は火山灰(Ta-a)の他に氾濫による粘質土も混ざっています。以下、30-50cmは泥炭混じりの黒褐色の粘土層で、50-83cmは粘土、火山灰混じりの低位泥炭層、83-88cmには火山砂(Ta-c?)が薄く挟在しています。