農業研究本部

05-2 淡色黒ボクグライ土(05C)

(湿性火山放出物未熟土、高地下水位)

胆振管内早来町遠浅、湿地

 湿地に粗粒火山灰が堆積してできた土壌です。強い還元状態を示すグライ層(青粘土層)はありませんが、年間の大部分が高地下水位状態にあるため、黒ボクグライ土の一種とされています。北海道の淡色黒ボクグライ土の多くは胆振管内の粗粒火山灰土壌が占めており、その他網走、十勝、釧路などにも見られます。改良策としては暗渠の整備が第一で、粘土客土も良く行われます。有機物の施用、石灰、リン酸などの資材の施用も有効です。この地域では、主に水田として利用されています。
この断面は、地下水位が非常に高い湿地帯に樽前系粗粒火山灰が厚く積もったもので、苫小牧から早来にかけてしばしば見られます。火山灰(軽石)は上からTa-a,Ta-b層の順で1m以上の厚さで堆積しています。地下水位は通常はほぼ地表面まで達しており、この写真を撮影する際はバケツを使って一時的に水位を下げて行いました。