農業研究本部

16-1 泥炭土(16)

(無機質表層低位泥炭土)

空知管内南幌町、転換畑、1990

 泥炭土は全道に分布し、特に空知、石狩、上川管内は水田として、十勝、宗谷、留萌、網走管内は畑・草地として広く利用されています。石狩川中・下流域は日本最大の泥炭農耕地帯です。
これは旧夕張川の流域にある、粘土客土された低位泥炭土で、構成植物はヨシ、ハンノキなどです。開発前は地下水位が高く、無機質層のほとんどない泥炭湿地だったのですが、大規模土地改良事業で客土や排水改良が行われました。主に洪積粘土が客土されており、この地域の無機質層(粘土層)の厚さは平均で30cm程度あります。
この断面は、前年に畑転換する際に大型プラウで深耕しており、38cmまでは泥炭を混入する粘土層で、38cm以下が完全な泥炭層となっています。客土後9年を経ていますが、洪積粘土を厚く客土したため、粘土層下部(18~38cm)はグライ化(青粘土)しており、表面排水がやや不良となっています。75cm深に湧水が見られます。