農業研究本部

16-4 泥炭土(16)

(無機質表層高位泥炭土)

空知管内南幌町、転換畑、1989

 前述の16-1~3とは異なり、泥炭が主にスゲからなる高位泥炭土です。北海道の高位泥炭土の大部分は石狩川下流域に分布しており、構成植物はミズゴケ、ツルコケモモ、ホロムイスゲが主です。しかし、土地改良によりミズゴケなど表層部の泥炭は分解が進み、分解しづらいスゲ類が比較的良く識別されます。高位泥炭土は泥炭地帯の中では最も開発が遅れ、昭和40年代に水田化した所が多く、一部では不等沈下がみられます。これまでに暗渠排水や客土事業が2~数回なされており、地下水位や地耐力はかなり改善されてきていますが、まだ不十分なほ場もあるようです。
この断面は表層の粘土層は40cmまでありますが、これは3年前に大型プラウで深耕したためで、かなり泥炭が混入しています。40cm以下は高位泥炭層で、55cmまでは分解が進み黒褐色になっています。55cm以下にホロムイスゲと思われる植物繊維が見られます。1m以内には湧水は見られません。