農業研究本部

Q.19地力保全土壌図の具体的な見方

Q.19)

地力保全土壌図の具体的な見方を教えて下さい。

A.19)

 土壌図は通常、調査報告書とセットになっており、原則として一市町村一枚ですが、複数の市町村をまとめて一枚にしたものもあります。印刷物として公表されているのは133枚(173市町村、1998年現在)で、他の39市町村については原稿はできていますが印刷はされていません。
地力保全基本調査の5万分の1土壌図には、(1)土壌区の分布する地域やその広がり(面的な情報)、(2)各土壌区毎の面積、土壌の性質、簡略分級式などをまとめた土壌区一覧(属性情報)、(3)各土壌区の代表断面柱状図(画像情報)、の3種類の情報内容が盛り込まれています。

(1)土壌区および区分ライン(境界線)

 土壌図上で黒い線(境界ライン)で区分され、色分けされたものを土壌区といいます。これは、ある一定の広がりを持った、同じ種類の土壌からなる地域のことです。境界線で囲まれた1つの図形単位をポリゴンと言いますが、ある土壌区が1つのポリゴンからなる場合もあれば、図幅内の各地域に分散した複数のポリゴンからなる場合もあります。図中のポリゴンには1つ1つにNa-ⅡとかKN-Ⅲと言った識別記号が付けられていますが、英文字は土壌区の略号、ローマ数字は生産力可能性等級を意味しています。例えば、Naは中の岱区、KNは北長沼区の略号です。土壌区の名称は、主に分布する地域の地名を用いる事が原則になっています。

(2)土壌区一覧表

 土壌区一覧表はネームファイルと通称されているもので、各土壌区の情報として土壌区名、その面積、土壌の性質、簡略分級式等が載っています。図1にその例を示します。これより詳しい情報が必要な場合は調査報告書の本文を見る必要があります。地力保全基本調査の土壌図では、土壌の基本区分単位として土壌統を設定していますが、これをさらに細かな性質の違いや土地利用の違いなどにより土壌区に細分することになっており、実際には土壌区が最小の区分単位となっています。大部分の土壌統は1土壌区から成っていますが、複数の土壌区から成る土壌統も多くあります。通常、1枚の土壌図中に土壌区は10~50ほどあり、全道では約3600の土壌区があります。ただし、この一覧表に載っている面積や分級式などの数値は、その図が発行された時点でのもので、現在とは少し異なっていることに注意する必要があります。また、土壌分類についても、その当時は確立されていなかったため記載されていません。なお、一部の市町村の図については、施肥改善方式の分類名が記載されているものもあります。
最新の面積や正式な土壌の分類名については、「北海道土壌区一覧」(北海道立農試資料第21号、1993年)に載せてありますので参照して下さい。 

(3)代表断面柱状図

 各土壌区につき1カ所、最もその土壌区の特徴を表していると思われる地点の土壌断面形態図が図中に示されています。土壌の土性、土色、礫含量、泥炭の有無等が専門的な記号で示されていますが、より詳しい内容を知りたい場合は、本文(調査報告書)の説明を見る必要があります。図2図3に柱状図とその記号の凡例をあげておきます。


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