農業研究本部

はじめに

北海道原子力環境センターは昭和61年に開所され、以来、発電所周辺地域の住民の方々の健康を守り、環境を保全するために環境放射能のモニタリングや温排水の影響調査を実施するほか、地域の産業振興のために農水産に関する試験・研究を行ってまいりました。特に、モニタリング施設において農水産に関する試験・研究を実施している例は全国的に見ても珍しく、その成果が期待されております。

農業に関する試験・研究を担う農業研究科では、環境放射能分析のための各種作物の栽培をはじめ、岩宇地域の特産品であるスイカ、メロンを中心に、連作障害対策、肥培管理法の改善および育種に関する研究に取り組んでまいりました。

このたび、農業研究科職員が数年にわたり鋭意研究を行い、取りまとめました「肉眼観察によるスイカの栄養障害診断法」が平成8年度北海道農業試験会議において関係者の皆様のご支援をいただき、「指導参考事項」と判定されました。今後、この研究成果が広く普及し、大いに活用されることを期待しておりますが、現場の指導機関や農家の方々から診断に必要な栄養障害症状の写真を提供してほしいという声が多数寄せられましたことから、ここにカラー写真による「目で見るスイカの栄養障害」として分かりやすく取りまとめた次第です。

この資料が地元共和町をはじめ道内各地のスイカ栽培の一助となることを願って止みません。

1997年3月

北海道原子力環境センター

桜井 照安

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