農業研究本部

スイカ カリウム(加里)欠乏

カリウム(加里)欠乏

1.症状の特徴

1) 発生初期には、主葉脈付近が波状にちぢれ、葉は裏側に巻き込む。

2) 葉脈間や葉縁部が黄化し、葉脈のみ緑色を残す。症状が進むと、黄化した部分に灰白色の縁取りのある褐色斑点(壊死斑)が現れる。

3) これらの症状は、下位葉から上位葉へ向かって進行する。

2.発生しやすい条件

1) 保肥力の低い砂質土壌でカリウム含量が低い場合に発生しやすい。

2) ハウス土壌等で他の塩基類が過剰に蓄積されている場合、土壌中のカリウム含量が十分であっても吸収が阻害されて欠乏症が出ることがある。

3) 急激な果実肥大によって、根からの吸収では間に合わず、葉からのカリウム移行が起こった場合に発生することがある。

4) 湿害などにより根いたみが発生すると、カリウム吸収は著しく低くなる。

3.観察のポイント

1) ハダニの食害によっても下位葉の葉脈間黄化は観察されるが、この場合、黄化症状はスポット状に鮮やかに現れるとともに、葉裏にハダニが小黒点として見える。

黄化症状と波状ちぢれ

   

 

下位葉の枯死 
写真7 症状は下位葉から上位葉へ進行する。すでに下位葉では枯死が始まっている。

写真5 葉脈間の黄化症状と主(葉)脈付近に波状のちぢれが見られる。

壊死斑と葉の裏側への巻き込み

写真6 黄化症状はやがて褐色の壊死斑へ進行する。
褐色斑周辺部が灰白色に縁取られている。葉は裏側へ巻き込む。