農業研究本部

スイカ マグネシウム(苦土)欠乏

マグネシウム(苦土)欠乏

1.症状の特徴

1) 中位葉〜上位葉にかけて葉縁部がまき上がり、激しい場合には葉が筒状になる。

2) 葉は緑色を維持したまま、葉脈間および葉縁部に褐色の斑点(直径5〜10mm)が現れる。進行するとこれら斑点部分がそれぞれ融合して、全体的に褐色となり葉枯れ症状を呈する。

2.発生しやすい条件

1) 果実肥大が旺盛で、根からの吸収が間に合わず、葉から果実へのマグネシウム転流が起こった場合、着果節位葉〜上位葉にかけて発生しやすい。

2) 土壌中のマグネシウムが欠乏条件になくても、カリウム、カルシウム等の要素が過剰に含まれていると発生しやすい。

3.観察のポイント

1)マグネシウム欠乏は「葉巻き炭そ」とも呼ばれ、炭そ病で現れる暗褐色の病斑に類似している。マグネシウム欠乏では葉脈間にのみ褐色斑点が現れ、葉縁部のまき上がり症状を伴うのに対し、炭そ病の病斑は輪紋状に広がり、葉脈も侵して裂け目ができることもある。

葉縁部の巻上がり症状と褐色斑点

   

葉の症状拡大写真

写真11 中位葉に現れた葉縁部の巻き上がり症状。葉脈間および葉縁部には褐色斑点を生ずる。

   

写真12 葉に現れた症状の拡大。

完全区とマグネシウム欠乏
写真13 上2段:完全区、 下2段:マグネシウム欠乏。
左上:下位葉、右下:上位葉。
上位葉で葉巻き症状が激しく、筒状になる。