マンガン欠乏
微量要素の欠乏症
症状の特徴
1.上中位葉の葉脈間に網目状の黄化症状が現れる。この症状は上位葉ほど淡緑化が著しく、鉄欠乏症状に類似しているが(写真31)、欠乏症状が進行すると、中位葉の葉脈間の一部に褐色の枯死斑点が生じる(写真32)。
2.また、この症状の発生した葉は主脈に沿って隆起が観察される(写真33)。
3.マンガンは比較的移行性の低い要素で、一般的に新しい葉に症状が現れる。
発生しやすい条件
1.カルシウム資材の多投入や窒素の溶脱に伴う土壌pHの上昇により、マンガンが不可給化(作物に吸収されない形態に変化)した場合に発生する。
2.マンガンが溶脱した砂質の老朽化水田の転換畑に多く見られる。北海道ではこうした転換畑のホウレンソウで「斑(ふ)入り状」に葉脈間が黄化する原因不明の障害が発生したが、その後の調査でマンガン欠乏症と診断された。