農業研究本部

銅欠乏

微量要素の欠乏症


症状の特徴

1.初め下位葉の葉脈間に表皮剥離状の黄化症状が生じ、壊死斑へと変化する(写真34)。

2.さらに、上中位葉の葉が奇形となる。すなわち、上位葉では葉が筒状に表側へ湾曲し(写真35)、中位葉では主脈沿いの隆起と葉縁部の巻き上がりが観察される(写真36)。

3.道内における銅欠乏は小麦で多くの例がみられており、その症状はメロンと同様に新葉の生育停滞や不稔の発生が代表的な症状である。また、果菜類ではキュウリの葉脈間黄化症状および上位葉の奇形が知られている。

発生しやすい条件

1.以前に小麦の銅欠乏が発生した圃場では、発生する可能性がある。

2.銅含量が少ない土壌。とりわけ、腐植に富む砂壌土地帯および酸性腐植質の黒ボク土(火山性土)地帯では発生することがある。

銅欠乏の症状

下位葉の表皮剥離状壊死斑

写真34

下位葉の葉脈間に表皮剥離状の黄化症状が生じ、やがて壊死斑へと変化する。
(4葉期 −Cu2週目)

上中位葉の筒状湾曲

写真35

上中位葉の葉が筒状に表側へ湾曲する。
(4葉期 −Cu4週目)

中位葉の隆起と巻き上がり

写真36

中位葉では葉脈沿いの隆起と葉緑部の巻き上がりが観察される。
(6葉期 −Cu5週目)


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