農業研究本部

亜鉛欠乏

微量要素の欠乏症


症状の特徴

1.下位葉の葉縁部から淡い黄化症状が現れ、速やかに葉脈間に及び、症状が進行すると葉脈の緑を鮮明に残して葉縁部から壊死斑へと変化する(写真37)。

2.また、その直上の葉は葉先の葉縁部から黄化症状が現れ、速やかに褐色の壊死斑へと変化する(写真38、39)。

3.亜鉛は体内で移行しやすいため、欠乏症状は下位葉から発生することが多い。

発生しやすい条件

1.リン酸を過剰施用した場合、亜鉛の吸収が抑制される。

2.カルシウム資材の施用に伴う土壌pHの上昇により土壌中の亜鉛が不可給化する。

3.北海道ではタマネギをはじめ十勝地方(褐色火山性土)のトウモロコシ、上川地方(流紋岩質溶結擬灰岩を母材としている褐色森林土)のトウモロコシや小豆に亜鉛欠乏の発生が認められている。このような地帯では亜鉛欠乏が発生し易いので注意する。

亜鉛欠乏の症状

下位葉の黄化症状〜壊死斑(葉脈の緑色を鮮明に残す)

写真37

下位葉の葉緑部から淡い黄化症状が現れ、症状が進行すると葉脈の緑を鮮明に残して葉緑部から壊死斑へと変化する。
(6葉期 −Zn6週目)

葉先より黄化症状〜褐色壊死斑

写真38

下位葉上部では葉先の葉緑部から黄化症状が現れ、速やかに褐色の壊死斑へと変化する。
(6葉期 −Zn6週目)

下位〜中位葉の亜鉛欠乏症状

写真39

下位〜中位葉に現れた亜鉛欠乏症状。
(4葉期 −Zn8週目)


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