農業研究本部

ホウ素欠乏

微量要素の欠乏症


症状の特徴

1.発症の初期は上位葉の葉柄側から黄化症状が現れ(写真41)、生長点が枯死し、生長の停止が起こる(写真40)。

2.やがて新葉は壊死し、上位葉の葉縁部周辺に黄化症状が生じ、葉縁部や葉脈間の一部は褐色の壊死斑へと変化し、中位葉まで進行する(写真42)。

3.また、茎の切断面を見てみると、導管部がコルク化している(写真43)。

4.ホウ素が欠乏すると組織が堅くもろくなり、亀裂やコルク化の症状が茎や果実に現れる。

発生しやすい条件

1.土壌乾燥時に発生しやすい。

2.ホウ素が溶脱しやすい砂質の土壌でよく見られる。

3.土壌pHが高く、ホウ素が不可給化した圃場に発生する。

4.ダイコン、カブなどのホウ素要求性の高い作物を栽培した跡地は、土壌中のホウ素が減少している。

ホウ素欠乏の症状

生長点の枯死

写真40

生長点が枯死し、成長が停止する。
(4葉期 −B4週目)

上位葉の黄化症状

写真41

発症の初期には上位葉の葉柄側から黄化症状が現れる。
(6葉期 −B3週目)

上位葉の黄化〜褐色壊死斑

写真42

上位葉の葉緑部周辺に黄化症状が生じ、葉緑部や葉脈間の一部は褐色の壊死斑へと変化し、中位葉まで進行する。
(6葉期 −B6週目)

茎切断面のコルク化

写真43

茎の切断面をみると導管部がコルク化している。
(6葉期 −B6週目)


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