農業研究本部

マンガン過剰

微量要素の過剰症


症状の特徴

1.スイカ、キュウリで見られるように下位葉の葉脈の一部に黒褐色の壊死斑が現れる(写真44)。さらに症状が進行すると、中下位葉の葉脈沿いにも黒褐色小斑点が現れる(写真45)。

2.茎、葉柄および葉裏の毛茸基部には黒褐色の斑点が現れる(写真46)。

3.また、上位葉ではマンガン過剰による鉄の吸収が阻害されるために鉄欠乏症状が誘発され、黄白化症状が現れる(写真47)。

発生しやすい条件

1.透水性の不良な土壌ではマンガンが過剰に溶出するので過剰害がでやすい。特に有機物の多い圃場はマンガン過剰が発生しやすい。メロンの例では透水性の不良な水田転換畑でマンガン過剰症の発生が見られた。

2.土壌pHが低く、酸性化した圃場で発生する。

マンガン過剰の症状

下位葉の黒褐色壊死斑

中下位葉の黒褐色小斑点

写真44

下位葉の葉脈の一部に黒褐色の壊死斑が現れる。
(4葉期 +Mn3週目)

写真45

さらに中下位葉の葉脈沿いにも黒褐色小斑点が現れる。
(4葉期 +Mn3週目)

茎、葉柄毛茸基部の黒褐色斑点

上位葉の黄白化症状

写真46

茎、葉柄および葉裏の毛茸基部には黒褐色の斑点が現れる。
(4葉期 +Mn5週目)

写真47

上位葉で鉄欠乏症状に類似した黄白化症状が現れる。
(4葉期 +Mn3週目)

マンガン過剰による異常果

根群の未発達状況

写真48

マンガン過剰で発生した異常果

写真49

マンガン過剰では根群がほとんど発達しない。
(6葉期 +Mn5週目)


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