農業研究本部

ホウ素過剰

微量要素の過剰症


症状の特徴

1.発症の初期は下位葉の葉縁部に壊死斑が生じ、表側への巻き込みが観察され、さらに葉脈間の一部に表皮剥離状の斑点が生じる(写真58)。

2.症状が進行すると葉脈間の斑点は黒褐色の壊死斑へと変化する(写真59)。さらに症状が進行すると、葉縁部と葉脈間に生じた壊死斑の部分は完全に枯死してしまう(写真60)。

3.この症状は下位葉から中位葉へと進行し、果実肥大に伴い症状が著しく進行する(写真61)。また、この症状以外の葉面部は濃緑色を呈する。

発生しやすい条件

1.ホウ素を過剰に施用した場合。北海道の畑作地帯ではホウ素欠乏対策としてホウ素を多量に施用したテンサイ圃場の後作大豆にホウ素過剰の発生例がある。

ホウ素過剰の症状

下位葉葉縁部の壊死斑、葉脈間の一部に表皮剥離状斑点

葉脈間斑点は黒褐色の壊死斑へ変化

写真58

発症の初期には下位葉の葉緑部に壊死斑が生じ、葉緑が表側に巻き込み、さらに葉脈間の一部に表皮剥離状の斑点が生じる。
(4葉期 +B2週目)

写真59

症状が進行すると葉脈間の斑点は黒褐色の壊死斑へと変化する。
(6葉期 +B3週目)

壊死斑部の枯死

写真60

さらに症状が進行すると、葉緑部と葉脈間に生じた壊死斑の部分は枯死する。
(6葉期 +B5週目)

下位葉から中位葉への進行

写真61

この症状は下位葉から中位葉へと進行し果実肥大に伴い激しくなる。
(6葉期 +B5週目)


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