農業研究本部

ニッケル過剰

微量要素の過剰症


症状の特徴

1.初期の段階では上位葉の葉脈間の一部に白斑が現れ(写真62)、さらに中位葉には葉脈間に白色〜褐色の斑点が現れる(写真63)。

2.症状が進行すると、これらの症状は壊死斑へと変化し葉全面へ広がり、全ての葉の生長が停止する(写真64)。

3.ニッケル過剰に伴い上中位葉に白斑および褐色斑点が現れることは、キュウリ、カンピョウ、イチゴ、ダイコン、キャベツにも認められている。

発生しやすい条件

1.ニッケルを多く含む蛇紋岩(じゃもんがん)を母材とした低地土。北海道におけるニッケル過剰の発生は、上川地方に存在する蛇紋岩地帯のキャベツやダイコンで報告されている。

ニッケル過剰の症状

上位葉葉脈間の白斑

写真62

発症の初期には上位葉の葉脈間の一部に白斑が現れる。
(4葉期 +Ni1週目)

中位葉葉脈間の白色〜褐色斑点

写真63

さらに中位葉にも葉脈間に白色から褐色の斑点が現れる。
(6葉期 +Ni1週目)

葉全面の壊死斑

根群の未発達

写真64

症状が進行すると、壊死斑へと変化し葉全面へ広がり、葉の成長が停止する。
(6葉期 +Ni2週目)

写真65

ニッケル過剰では根群がほとんど発達しない。
(6葉期 −Ni5週目)


目次へ戻る