【普及参考事項】
カーランツに関する試験成績
北海道農試園芸作物第1研究室

 現在、本道で栽培されているカーランツの品種は在来種として赤色の小粒種が1品種認められているが、北海道農試において、海外、国内より嵬集した品種について栽培の適否を調査してきた結果、レッドレイク、M52、ロンドンマーケット、ローズオブホーランド、ボスクープジャイアントなどが、これら5品種の試験成績を提出する。

1. 特性調査
品 種 名 果色 年次 発芽期
(月日)
開花期
(月日)
着色期
(月日)
成熟期
(月日)
落葉期
(月日)
Bris

1房の重量
(g)
1粒の重量
(g)
レッドレイク 赤色 昭37 4.22 5. 9 7. 3 7. 9 11.13 9.5 17.7 1.6
  38 4.26 5.12 7. 6 7.13 11.18 8.1 14.2 1.5
  39 4.24 5.12 7. 9 7.16 11.16 12.6 10.4 1.4
平均 4.24 5.11 7. 6 7.13 11.16 10.1 14.1 1.5
M52 昭37 4.23 5.11 7. 3 7. 9 9.6 17.6 1.6
  38 4.26 5.14 7. 6 7.14 11. 6 8.6 14.4 1.3
  39 4.27 5.14 7.11 7.19 11.11 9.5 11.6 1.2
平均 4.25 5.13 7. 7 7.14 11. 9 9.2 14.5 1.4
ロンドンマーケット 昭37 4.24 5.11 7. 9 7.14 11. 8 10.4 17.4 1.4
  38 4.28 5.14 7.10 7.17 11. 9 9.5 17.8 1.3
  39 4.27 5.13 7.13 7.20 11.13 10.2 11.8 1.2
平均 4.26 5.13 7.11 7.17 11.10 10.0 15.7 1.3
ローズオブホーランド 昭37 4.22 5. 9 7.12 7.18 11.16 9.3 12.9 1.5
  38 4.28 5.13 7.15 7.22 11.26 9.6 10.3 1.2
  39 4.27 5.13 7.19 7.25 11.19 13.5 9.2 0.9
平均 4.26 5.12 7.15 7.22 11.20 10.9 10.8 1.2
ボスクープジャイアント 黒色 昭37 4.22 5.19 7.18 7.24 11.15 12.2 4.2 1.0
  38 4.24 5.20 7.19 7.24 11.20 12.4 5.3 1.4
  39 4.22 5.19 7.16 7.25 11.18 13.6 5.1 1.3
平均 4.23 5.19 7.18 7.28 11.18 12.7 4.9 1.2
在  来  種 赤色 昭37 4.21 5.10 7. 8 7.13 11.10 10.2 18.2 1.1
  38 4.26 5.13 7.13 7.19 11.20 9.0 14.1 0.9
  39 4.27 5.13 7.12 7.19 11.18 12.3 8.8 0.9
平均 4.25 5.12 7.11 7.17 11.16 10.5 13.7 1.0

2. 収量調査(1本当り)
品 種 名 昭和37年 38年 39年 平均
(kg)
8年生
(kg)
9年生
(kg)
10年生
(kg)
レッドレイク 6.810 6.036 5.910 6.252
M52 5.775 6.426 7.420 6.540
ロンドンマーケット 6.130 8.412 9.930 8.157
ローズオブホーランド 10.435 9.179 9.771 9.778
ボスクープジャイアント 1.775
(6年)
3.643
(7年)
9.220
(8年)
4.872

在  来  種 1.775 6.216 10.000 8.065

3. 考察
 レッドレイク、及びM52は、在来種に比べ熟期が早く、果粒も大きい。叉ロンドンマーケットは熟期、収量も在来種と同等で果粒が大である。ローズオブホーランドは、最も晩生種で多収であり、それぞれ特徴のある優良種と認められる。叉ボスクープジャイアントは、欧州における黒色種の代表的な品種であり、試作の結果本道の気温に適する品種と認められる。

4. 栽培適応地帯
 本道の全地域

5. 栽培上の注意
 1) 栽培距離
  2m×2m 10a当250本
 2) 施肥量
  成木5年生1本当、成分量N80g、P50g、K30g、堆肥4kg。3年に1度石灰100g位施与し、圃場全面に施す。
 3) 病害虫
  害虫としてタマガタイガラが見られるが、芽出前に機油油乳剤4%液、フ化期にはスミチオン乳剤1.000倍を散布する。