【普及参考事項】
ブームレス、スプレーヤに関する試験
北海道立十勝農業試験場農業試験場

1 試験目的
 ブームレススプレーヤーに関し、ノズルの噴霧性能ならびに防除効果を調査した。

2 試験方法
 (1)試験方法
 亜鉛引きのナマコ板を15m並べ(板の表面は洗剤で洗い水の流を良くした)40°に傾斜せしめ、約20㎝間隔にビーカーを置いて板上に30秒以上噴霧した液を受け、容積測定により分布状態を測定した。

 (2)使用ポンプ概要
 丸山高速動力噴霧機
 クライスラー
 最高圧力45㎏/m2 常用35㎏/m2
 常用5PS 最高8PS
主軸回転数 500 600 700 800 900
吸水 45㎏/m2L/min 39 47 55 63 71
34㎏/m2L/min 39 47 55 63

 (3)使用原動力
 電動機7PS

 (4)使用ノズル
 (5種類のノズルを使用したが、そのうち成績良好のものを掲げる)
N式一頭孔 調節可能(ニードルによる)
噴口 上ー2∮(根元6∮)2∮直線部長-25m/m
下-4∮(先端切りミゾの所にて小さくなる(2.5∮))
液通過孔(ニードルの位置)-16-2.8∮
切りミゾ巾-3m/m
M式四頭孔 第一ノズル 噴口径-先端3.5∮(根元9.5∮)
        勾配1/20調節なし、筒タイプ
第二ノズル 噴口径-先端2.5∮直線部長10m/m(根元11∮)勾配1/5
        角度調節可、中子(スパイラル溝)により過流、筒タイプ
第三ノズル 噴口径-1.7∮デスクタイプ
        角度調節可、(中子スパイラル孔2-2∮)より渦流
第四ノズル 噴口径-1.2∮他は第三ノズルと同一

3 試験成績
 (1)噴霧性能試験
 各式のノズルをいろいろ組み合わせて、最も良い分布を組み合わせノズル使用分布状態を得るべくノズル組合せ試験を行った。その結果、N式、1頭孔ノズルMと式第2ノズルの組合せて噴霧巾12~3mの良好な分布を得た。



 (2)効果確認試験
 前期の噴霧性能を有するノズル配列で、スプレーヤーを試作し、防除効果を確認した。スプレーヤーは、セミマウント方式をとり、タンク容量800Lである。噴霧による薬効確認は除薬剤を利用した。

 ア 菜豆はたけ噴霧
 良好な分布であれば、雑草量が均等に少ないことになる。測定は畦巾0.6mであるので、作物を中心に0.6m巾をとり、畦長2mの帯状に雑草生重を計量して2反復平均した。ブームレススプレーヤーは必ず風にその噴霧が乱されるので、従風向噴霧でなければならないと考える。

 イ アマ畑噴霧
 アマ畑における薬効は1m巾に1m2の面積の雑草量を測定して表現した。特に雑草量が多い箇所は、噴霧と噴霧のつなぎ目である。畦のない作物にあっては、噴霧巾をよくみきわめて使用することが重要であろう。

 菜豆はたけにおける除草効果・対風向噴霧における薬効