【普及参考事項】
ベーラートワインの強度に関する試験 北海道立新得畜産試験場 |
1 試験のねらい
ヘイベーラーのトワインが切れて困るということが一昨年頃から言われ出した。昨年当場に於いて切れ易いトワインを入手したので過去3年来のトワインの強さを比較して見た。又特に本道の場合天候が不良で乾燥不十分のためコンパクトベーラーでモノベールの大きさを小さくし弛めて梱包する自ら切れ易い条件を備えて居る。乾草調製経費の中のトワインの価格が大きな%を占めることから安価なトワインをつくれないか、どうか材料をサイザルの代わりにマニラ麻を用い試作させたトワインの強さと実用性を検討した。
2 試験方法
供試材料(トワイン):-昭和37年、38年、39年に当場にて購入したH社製のトワイン8点、マニラ麻を原料としたM社製の試作トワイン2点、合計10点を用いた。
試験方法:-強度についてはダイナモメーターを連結してトワインを引っ張り切断時の最大抵抗を測った。その他トワインの伸び直径、よりについて調査を行った。
3 ベーラーにおけるトワインの切断
トワインの切れる原因が詳かでないが乾草の水分25~35%位の場合に多く起こり下図の箇所から切れる。
4 結論
1 37年に使用したトワインと比較すればたしかに強度が低下している。それは材料の品質の差によると言われているがトワインそのものの不均一性も大きな原因と考えられる。
2 原料価格に若干の差があるマニラ麻を使用してつくったトワインでも品質とより方によってベーラーに使用可能なトワインが作られた。
3 トワインの強さを葉球することも必要であるがベーラーの使用法、即ち圃場で牧草を均一に出来るだけ低い含水分に乾燥することも大切である。
5 参考
ベーラートワインについて(乾草梱包機結束繩)
ベーラーにはコンパクトベーラーとルーズベーラーとあり、トワインの太さが異なる。又トワインを用いずワイヤー用ベーラーもある。
当場のベーラーはコンパクトベーラーであり、1台で年間50,000ヶのベールをつくり約200ヶのトワインを消費している。菌学にして約40万円である。機械化により増大する諸経費の特に目立ったものと考えられる。1tの乾草をつくるのに約500円のトワインを使うことになる。当場での使用からみると
(ⅰ)トワイン1ヶは重量9㎏強、長さ約1,300m
1m当り重量6.5~7.5g
1ヶで出来るベールの下図は250~300
(ⅱ)消費量 乾牧草ベールの重量13~15㎏
1ヶのトワインで3,000~4,500の乾草
1tの乾草に対し1.5~2.5㎏のトワインを要する。
(ⅲ)コンパクトベールの大きさ
サイズ 14"×18"×42"(最大)
実際(33~34㎝)×(48~50㎝)×(65~80㎝)
(ⅳ)1ベール当たりトワイン代6円~7円