【普及参考事項】
ラデノクロバーミール混合飼料による豚の飼養試験 北海道農試畑作部 家畜導入研究室 |
<緒言>
ラデノクローバーはせんいが少なく、栄養比は3以下であり、高蛋白で濃厚飼料に匹敵し、養豚飼料としては価値の高い飼料である。
ラデノクローバーを生草として利用する場合は、その利用期間が限定されるので、ミールに加工調製して、完全配合飼料の蛋白源飼料としての役割を高めるため試験を実施した。
<試験成績>
ラデノクローバーを出来るだけ多く使えるようにするためには、その栄養組成をより完全なものとせねばならないし、嗜好性をより高めていくために、糖産飼料を添加し、CaとPの比とKとNaの比を補正するために、第1燐酸ソーダーをも添加した。
第1表 飼料の配合内訳
対照群飼料 | 試験群飼料 | ||||
前期 | 後期 | 前期 | 後期 | ||
ふ ち ま | 27.2 | 21.25 | 産肉検定飼料 | 50.0 | 10.0 |
脱 脂 米 糠 | 10.0 | 10.0 | とうもろこし | 10.0 | 27.5 |
とうもろこし | 28.0 | 30.0 | 糖 産 飼 料 | 7.5 | 10.0 |
大 麦 | 15.0 | 25.0 | ラデノクロバーミール | 30.0 | 50.0 |
大 豆 粕 | 7.0 | 3.0 | |||
魚 粕 | 5.0 | 3.0 | |||
ルーサンミール | 5.0 | 5.0 | |||
燐 酸 ソーダ | 0.5 | 0.5 | 燐 酸 ソーダ | 2.35 | 2.23 |
炭酸カルシウム | 1.5 | 1.5 | |||
ミ ネ ラ ル | 0.8 | 0.75 | ミ ネ ラ ル | 0.15 | 1.265 |
ビ タ ミ ン | ビ タ ミ ン |
有機物 | 粗蛋白 | 粗センイ | 粗脂肪 | N-F-E | DCP | TDN | 栄養比 | |
前期用対照飼料 | 72.3 | 70.2 | 12.6 | 54.6 | 79.6 | 11.02 | 60.8 | 4.5 |
〃 試験 〃 | 70.8 | 62.2 | 40.2 | 31.5 | 80.3 | 9.7 | 54.9 | 4.6 |
後期用対照飼料 | 69.8 | 66.0 | 11.4 | 26.6 | 78.1 | 9.5 | 55.5 | 4.8 |
〃 試験 〃 | 71.7 | 60.6 | 49.4 | 20.3 | 80.6 | 9.4 | 54.4 | 4.3 |
増体重 (kg) |
日 数 (日) |
1日平均増体重 (kg) |
1kg増体の所要量(kg) | |||
飼料量 | DCP | TDN | ||||
対照豚 | 70.0 | 120 | 0.583 | 3.90 | 0.4 | 2.25 |
試験豚 | 69.2 | 119 | 0.582 | 4.06 | 0.39 | 2.26 |
<要約>
ラデノクロバーミールと30%(前期)および50%(後期)を混入して配合飼料を調製し、養豚飼料として利用し、D.C.Pで約65%、T.D.Nで約39%を組合せしめて肥育せしめうることが出来た。
ニユクレイン態の燐を多く含んでいる飼料が与えられる程、燐質分の利用は高いのであるが、魚粕はこれを多く含んでおり、ラデノクロバーミールも多く含んでいるし、両者が補完し合って、飼料成分中の燐の利用度は高まってくる。
牧草ミールの利用においては石灰と燐との均衝をとれにくくなるので、燐の均衝がとれるように、補給飼料として燐酸ソーダを添加する必要がある。