【普及参考事項】
ラム造成試験-放牧を主とし濃厚飼料を補給しての子羊の育成効果について
北海道立滝川畜産試験場

<緒言>
 離乳した子羊を素畜として行うラム造成は、普通7~10月にわたって育成造成が行われるが、放牧を主体とした場合には、子羊の発育が停滞する場合が多く、増体不足のために育得日数が長期化することが多い。
 叉仕上げのために多くの栄養を必要とする秋期には、放牧地の草が不足がちであるため、何らかの補助飼料を必要とする場合が多い。
 これら素畜を放牧しながらも濃厚飼料を補給して、育成状況を試験した。

<試験成績>
 放牧主体の対照群に対して放牧+濃厚区・濃厚+放牧(後期放牧)区を設けて試験えお行ったが、放牧主体よりは濃厚飼料給与区の発育はよかった。

 第1表 発育状況
  増 体 量
前期 後期 全期
収牧主体区 8.08 3.1 11.18
放牧+濃厚 8.35 6.1 14.48
濃厚+収牧 9.72 2.6 12.34

<要約>
 良好な草地においては、子羊をもってラム生産のための育成肥育は、かなり良好な成績をあげうるが、育成初期から濃厚飼料を補給することによって、よりよい発育をとげうるが、9月以降の牧草生育が質的にも量的にも不良によってくる時程、肉生産のための子羊育成においては濃厚飼料を補給してやると、良い肉生産をあげることが出来うる。