【普及参考事項】
菜種雪腐病の防除法 道立中央農試稲作部 |
Ⅰ 試験結果の概要
(1)A試験地
本病の発生が少なく、外見上の差は認められなかったが、調査の結果、罹病程度で無散布区に比し処理区では薬剤の効果が認められ、特に雪ぐされ用水銀粉剤の効果が強く現れている。
(2)B試験地
発病が激しく各処理区は無防除に比して明らかな効果を示している。
処理間では雪ぐされ用錘gん粉剤が最も勝り、ブチルスズ粉剤がこれについでいる。
(3)総括
以上2試験地の結果を綜合すると、小粒菌核を主体とした場合、麦の雪ぐされ病に従来より使用されている水銀粉剤、或いはブチル錫粉剤の防除効果が高い。
Ⅱ 試験成績
1.試験方法
(1)試験場所
A 岩見沢市志文町第2(壌土)
B 由仁町 伏見 (火山性砂壌土)
(2)耕種の概要
A試験地(岩見沢)
供試品種 (岩内)
播種 9月11日 畦巾60㎝(条播)
播種量 0.72L/10アール
施肥量 尿素化成10a当り30㎏ その他農家慣行法による
1区面積及び区制 1区1a3反復
薬剤散布期日及び量 11月25日 10a当たり3.5㎏
B試験地(由仁町)
供試品種 (岩内)
播種 9月4日 畦巾 57㎝(条播)
播種量 0.72L/10アール
施肥量(10a当) 尿素化成4合 30㎏、過石 15㎏、硫安 5.6㎏、硫加 7.5㎏
1区面積及び区制 1区1.2a3反復
薬剤散布期日及び量 11月27日 10a当3.5㎏
(3)供試薬剤
有機水銀粉剤 散粉ルベロン30(EMP Hg0.3%)
有機錫粉剤 ブチル錫粉剤(TBTO 1.0%) スズ粉剤1.5(TPTA 1.5%)
PCNB剤 PCNB10%粉剤
2.試験結果
区別 | 枯死株率 | 罹病程度 | ||
A試験地 | B試験地 | A試験地 | B試験地 | |
無散布 | 5.7 | 57.6 | 37.9 | 72.3 |
散粉ルベロン30 | 2.1 | ** 1.5 |
16.1 | 19.0 |
ブチルスズ粉剤 | 4.5 | ** 8.7 |
22.4 | 40.4 |
スズ粉剤1.5 | 0.9 | ** 13.1 |
25.5 | 40.0 |
PCNB10%粉剤 | 7.4 | ** 33.8 |
26.7 | 57.8 |