【普及奨励事項】
なし「北星」「北都」に関する試験成績
北海道農試園芸第1研究室

Ⅰ 来歴
 昭和11年に人工交配し、北星(北農一号)は、20世紀×身不知、北都(北農2号)は身不知×20世紀を親とした実生から選抜した。

Ⅱ 特性の概要
 1. 生態調査
項目/
品種
満開期 成熟期 果形 果色 糖分 品質 食用適期 特  徴
北 星 5月23日 9月下旬 紡 錘 緑 黄 11.6 10月中旬まで 外観良
無袋可
北 都 5月23日 9月下旬 短紡錘 白黄緑 13.1 最上 10月下旬まで 品質極上
外観やや不良
甘 玉 5月23日 9月下旬

10月上旬
短 円 緑 黄 12.4 11月中旬まで 無袋不可
  備考 1.満開新は昭和39.40年平均  2.糖分は検糖汁指度を示す。

 2. 収量調査
  (1)収穫果数(個)
年次/
品種
5年 6 7 8 9 10 11
甘玉 4 24 79 101 126 140 152
北星 3 28 57 94 104 136 141
北都 2 15 41 99 102 143 162

  (2)重量(kg)
年次/
品種
5年 6 7 8 9 10 11
甘玉 1.0 6.4 20.9 25.1 29.1 34.9 35.3
北星 0.8 7.9 14.5 22.6 28.0 34.2 34.5
北都 0.5 3.7 9.5 24.0 25.2 32.1 33.6

  (3) 平均果重(g)
年次/
品種
5年 6 7 8 9 10 11
甘玉 250 268 265 250 228 249 232
北星 267 282 255 241 269 251 242
北都 250 247 232 240 247 225 208

Ⅲ 特性の概要
 1. 「北星」
  中生種で札幌地方では9月下旬に成熟期となる。果実は250g内外で食味良好である。果形は紡錘形を呈し果皮は緑黄で外観が頗る優れている。肉質は稍粗であるが果心が小さく、やや甘味に乏しいが品質は良い方である。食用適期は10月20日前後までもち、樹勢は中等で耐寒性長十郎程度と見込まれる。
 2. 「北都」
  中熟期で札幌地方では9月下旬に成熟期となり、10月末日まで食味良好である。果実は不整短紡錘形で色黄色を呈し平均重量230g内外で肉質は緻密、核心が小さく且つ甘味が多く香気があり品質は最上である。樹勢強く栽培容易であるが収量は中、耐寒性は身不知に近い強さがあると見込まれる。

Ⅳ 奨励地域
 北星は長十郎北都は身不知の栽培されている地域とする。