【普及奨励事項】
果樹園用除草剤「ドマド-ル」及び「ハイバ-X」に関する試験成績
北海道農試園芸第1研究室
道立中央農試園芸部
供試薬剤名  ドマド-ル(HG3031)
         ハイバ-X

Ⅰ (北海道農試園芸第1研究室)
 1. 試験圃場の概要
  (1) 除草試験
   ア)5月22日処理
    リンゴ成木園、栽植距離9.1×9.1m、下草への日当り良、草生の種類及び植生状態を示す被度、頻度、草丈、生草量は別表の通り。
   イ)6月4日処理及び8月11日処理
    リンゴ樹伐採跡地の雑草地、日当り良、その他(1)に同じ。
   ウ)8月10日処理
    ナシ成木園、栽植距離6.0×5.5m、地上への日当り稍不良、自然草生。、対照区として無処理区の外に中耕除草区を設けた。その他(1)に同じ。
  (2) 薬害試験
   春期処理(6月11日) 杏及びナシの3年生実生
   夏期処理(8月18日) リンゴの3年生実生

 2. 試験区面積及び反覆
  試験(1)~(2) 1区面積 1.656m2 2反覆
  試験(3)     1区面積 3.312m2 2反覆
  薬害試験   春期処理 1区 4~5本 2反覆
           夏期処理 1区 5~6本 1反覆

 3. 処理方法
  小型手押噴露器にて散布
  (1) 試験成績(除草試験)
処理
時期
供試薬剤名 供試圃場の概要 10a当りの
使用量
(kg)
散布時
被度(%) 頻度(10ヶ所平均) 生草量
(m2当りg)
草丈
8cm)
シバ
ムギ
スズメノ
カタビラ
ラジノ
クロ-バ
ハコベ その他 シバ
ムギ
スズメノ
カタビラ
ラジノ
クロ-バ
ハコベ その他
5月
22日
ドマド-ル 92.5   6.0   1.5 10.0   3.4   0.4 シバムギ
 1.726
ラジノ
クロ-バ
 13
同左
 25.0
同左
 17.5
0.75kg
ハイバ-X 86.0   13.5   0.5 10.0   7.8   0.2 0.3kg
カ-メックスD 90.5   9.0   0.5 9.8   4.6   0.4 0.3kg
無処理 91.5   8.5   0.0 10.0   6.0   0.0
6月
4日
ドマド-ル 3.5 94.5     2.0 2.8 10.0     1.4 スズメノ
カタビラ
 930
シバムギ
 247
同左
 15.0
同左
 20.0
0.75kg
ハイバ-X 3.5 95.0     1.5 2.6 10.0     0.4 0.3kg
無処理 3.5 96.0     0.5 2.8 10.0     0.4
8月
11日
ドマド-ル 31.5 64.0     4.5 6.2 9.0     3.8 シバムギ
 103
スズメノ
カタビラ
 156
同左
 20.0
同左
 11.0
0.75kg
ハイバ-X 20.0 71.0     9.0 4.8 9.0     6.4 0.4kg
グラモキソン 37.0 59.5     3.5 5.6 9.8     2.2 0.4L
無処理 14.5 85.0     0.5 4.0 10.0     0.4
8月
10日
ドマド-ル 79.5     17.5 3.0 8.0     5.2 2.4 シバムギ
 1.112
ハコベ
 61
同左
 52.0
同左
 20.0
1.0kg
ハイバ-X 73.0     25.0 2.0 8.4     8.0 1.2 0.45kg
中耕除草 73.0      24.5 2.5 8.6     5.2 2.4
無処理 81.5     16.5 2.0 8.8     4.2 2.6
  注) ①被度-一定面積に対する占有率を示す。
     ②頻度-10ヶ所(一定面積)に対する各草種の発現度を示す。
     ③ハイバ-Xにはサ-フアクタントWKを同量加用。
     ④中耕除草はCT70型三菱テイラ-にて4回攪拌。

  (2) 試験成績
供試薬剤名 10a当りの
散布量
散布時の
天候と気温
(℃)
殺草効果発現の程度 再生状況
再生程度 散布後
処理後日数 処理後日数 被度(%)
1 3 5 10 15 20 30 40 50 60 70 10 20 30 45 60 70 シバ
ムギ
スズメノ
カタビラ
ラジノ
クロ-バ
ハコベ その他
ドマド-ル 150L 天候 ◎
平均気温13.4
最高 〃16.7
最低 〃10.0
降水量   -
- ± ± + +++ +++ × ×       - - - ± ± ± 9.5   0.5   0.0
ハイバ-X - ± ± + + ++ +++ +++ ×     - - - - ± ± 1.0   3.5   0.0
カ-メックスD - ± ± ± ± ± ± + +     ± ± ± ± + ++ 57.0   0.5   2.0
無処理 - - - - - - - - -     +++ +++ +++ +++ +++ +++ 94.5   5.5   0.0
ドマド-ル 150L 天候 ◎
平均気温13.3
最高 〃18.9
最低 〃 7.7
降水量  45
- - - ± + +++ × × ×     - - - - ± ± 16.5 0.0     0.0
ハイバ-X - - - ± + +++ × × × × × - - - - - - 0.0 0.0     0.0
無処理 - - - - - - - - - - - +++ +++ +++ +++ +++ +++ 15.0 80.0      5.0
ドマド-ル 150L 天候 ○
平均気温21.8
最高 〃25.5
最低 〃18.0
降水量  -
- - ± +++ +++ +++ +++         - - - ± ±   13.0 0.0     0.0
ハイバ-X - - ± ++ +++ +++ +++ +++       - - - ± ±   7.0 0.0     0.0
グラモキソン ± + × × × ×           - - ± ± ±   7.5 0.0     0.0
無処理 - - - - - - - -       +++ +++ +++ +++ +++   36.0 56.0     6.5
ドマド-ル 150L 天候 ○
平均気温23.0
最高 〃28.0
最低 〃18.0
降水量  -
- - ± ++ +++ +++ × ×       - - - ± ±   0.0     1.0 0.0
ハイバ-X - ± + ++ ++ ++ +++ +++       - - - ± ±   2.0     2.0 0.0
中耕除草 × × ×                 ± ± + ++ ++    14.5     40.5 0.0
無処理 - - - - - - - -       +++ +++ +++ +++ +++   88.0     0.0 12.0
  注) (1)効果発現の程度
      -効果なし。
      ±効果が僅かに認められる。
      +効果は認められるが葉全体におよばない。
      ++大部分の葉にみられるが茎までおよばない。
     +++大部分の茎葉に効果がみられる。
      ×株が枯死し、再生みられない。
     (2)再生程度
      -再生なし。
      ±やや再生あり。
      +再生あり。
      ++極再生あり。
     +++無処理と同様。

  (3) 試験成績
供 試
薬剤名
再生状況 備考
散布後
頻度(10ヶ所平均) 生草量(m2当り)
シバ
ムギ
スズメノ
カタビラ
ラジノ
クロ-バ
ハコベ その他 シバ
ムギ
(g)
スズメノ
カタビラ
(g)
ラジノ
クロ-バ
(g)
ハコベ

(g)
その他

(g)
ドマト-ル 6.4   0.8   0.0 115.0   5.0   0.0 (1)散布後の被度及び
 頻度は8月5日調

(2)散布後の生草量は
 8月6日調
ハイバ-X 1.6   1.4   0.0 10.0   50.0   0.0
カ-メックスD 10.0   2.0   0.4 600.0   5.0   210.0
無処理 10.0   5.0   0.0 1.142.5 0.0 107.5   0.0
ドマト-ル 4.6 0.0      0.0 37.5 0.0     0.0  散布後の被度及び
 頻度、生草量は8月
 23日調
ハイバ-X 0.0 0.0      0.0 0.0 133.5     0.0
無処理 4.0 9.6     1.4 56.5 0.0     15.5
ドマト-ル 6.0 0.0     0.0 58.0 0.0     0.0  散布後の被度及び
 頻度、生草量は10月
 11日調
ハイバ-X 3.4 0.0     0.0 41.0 0.0     0.0
グラモキソン 2.4 0.0     0.0 26.0 287.0     0.0
無処理 5.4 8.2     3.8 107.0       33.0
ドマト-ル 0.0     0.8 0.0 0.0     3.5 0.0 (1)散布時、散布後の
 生草量は根共に測定

(2)散布後の被度及び
 頻度、、生草量は10月
 9日調
ハイバ-X 6.0     3.2 0.0 136.0     2.0 0.0
中耕除草 6.2     9.8 0.0 279.0     175.0 0.0
無処理 10.0      0.0 6.0 3.156.0     0.0 340.0

  (4) 試験成績(薬害試験)
処理時期 供試薬剤名 使用量/10a 散布量/10a 散布時の天候と気温 試験結果
6月11日 ドマト-ル 1.0kg 150L 天候 ○
平均気温   18.1℃
最高 〃    24.1〃
最低 〃    12.0〃
降水量      -
杏、梨ともに薬害は全く
認められなかった
ハイバ-X 0.45kg
カ-メックスD 0.45kg
無処理
8月18日 ドマト-ル 1.0kg 150L 天候 ○
平均気温   25.5℃
最高 〃    30.9〃
最低 〃    20.0〃
降水量      -
リンゴの薬害も同様認め
られなかった。
ハイバ-X 0.45kg
カ-メックスD 0.45kg
グラモキソン 0.6L
無処理


 Ⅱ 道立中央農試園芸部
  試験 りんご成木草生園におけるドマト-ルの効果に関する試験(昭和39年度)
 (1) 試験方法
薬剤名 10a当り使用量 10L当り展着剤
ドマト-ル 0.5kg グラミン 3cc
1.0   〃  
レグロックス 0.3L   〃
0.5   〃
 (2) 散布方法および散布時間
  5月15日(草刈必要時)に10a当り100Lを肩掛手押噴露器で散布
 (3) 試験面積
  りんご成木草生園 各区100m2(4×25m)
 (4) 試験成績
  散布5日後(5月20日)の役草状況
薬剤名 10a当り使用量 主要雑草名 備    考
ラジノ
クロ-バ
スズメノ
カタビラ
レッド
トップ
ギシ
ギシ
タン
ポポ
ドマト-ル 0.5kg - - + - - 殆ど効果認められず、わずかに
変色し始める。
全面枯死しているが、地際部が
残っている。
1.0 - - - - -
レグロックス 0.3L ++ ++ ++ +++ +++
0.5 ++ ++ ++ +++ +++
  注) -効果なし、または変色わずか。
     +部分的に枯死または変色。
     ++1/2ぐらい枯死。
    +++ 完全枯死。

  散布30日後(6月15日)の草丈および生草量
薬剤名 10a当り
使用量
(kg)
3m2
生草量
(g)
主要雑草名 備  考
ラジノ
クロ-バ
(cm)
スズメノ
カタビラ
(cm)
レッド
トップ
(cm)
ギシ
ギシ
(cm)
タン
ポポ
(cm)
ドマト-ル 0.5 700 7 8 35 20 8 わずかに再生 刈取不要
地際まで完全枯死 〃
全面的に再生 刈取不要
  〃         〃
1.0 550 7 7 26 13 6
レグロックス 0.3 3.150 16 13 54 45 12
0.5 3.050 15 11 62 39 15
無散布区 3.950 17 17 61 47 29   〃         〃
散布直前の草丈 8 12 20 28 21 刈取必要な草丈
  (5) 摘要
   散布時期は5月15日、第1回の刈取必要時期に近かったので草の良も多く、10a当り100Lの散布量では不足のようで、速効性の除草剤では効果にむらがあった。
  レグロックスは最も速効的で散布後3日目には薬剤の付着部分は変色枯死した。だが15日後には再生し、持続性が短い。ドマト-ルは7~10日目頃から変色枯死し始め、75日後に至って刈取必要となった。0.5kgの場合40日後頃にほとんど再生し、60~75日後に刈取必要となった。

  試験2 草生りんご園におけるハイバ-Xの効果に関する試験(昭和39年度)
  (1) 試験方法
薬剤名 10a当使用量 10L当展着剤
ハイバ-X 0.2kg
0.4
レグロックス 0.5L ダイン3cc
  (2) 散布方法、散布時期および調査項目
   6月1日刈取必要時、散布方法、調査項目はⅡに準ずる。
  (3) 試験面積
   りんご成木(5年生)草生園 各区15m2(3×5m)
  (4) 成績
  散布日後の殺草状況(6月6日)
薬剤名 10a当
使用量
主要雑草名 備   考
ラジノ
クロ-バ
(cm)
スズメノ
カタビラ
(cm)
レッド
トップ
(cm)
タン
ポポ
ハイバ-X 0.2kg + - - + イネ科以外にわずか効果あり。
0.4 + - - +
レグロックス 0.5L +++ ++ ++ +++ 油浸状変色後枯死

  散布30日後の草丈および生草量(7月1日)
薬剤名 10a当
使用量
3m2
生草量
草丈(cm2) 備  考
ラジノ
クロ-バ
スズメノ
カタビラ
レッド
トップ
タン
ポポ
ハイバ-X 0.2kg 4.6 20 19 43 20 効果発現遅く、枯死進行中、刈取不要
           〃
速効、再生中、刈取要す。
0.4 3.7 21 20 40 21
レグロックス 0.5L 4.5 23 17 42 19
無処理 6.9 25 21 55 25
処理当時   2.9 19 14 26 19  

  (5) 摘要
   ラジノクロ-バの優占する草生園で試験を行った。レグロックスは極めて速効であるが、持続効果はない。散布15日後では完全に再生し、20、25日後に刈取を要する。
   ハイバ-Xは極めて遅効的で完全に枯死するには20日以上要するようであるが、持続効果は長い。

 試験3 草生りんご園にける夏期繁茂期の抑草効果に関する試験(昭和39年度)
  (1) 試験方法
薬剤名 10a当使用量 10L当展着剤
ドマト-ル 0.5kg グラミン 3cc
1.0
ハイバ-X 0.2
0.4
  (2) 散布方法・散布時期・調査項目
   7月15日(刈取必要時)散布、散布方法、調査項目はⅠに同じ。
  (3) 試験区面積
   りんご成木草生園 1区20m2(4×5m)
  (4) 成績
  散布13日後の雑草状況(7月18日)
薬剤名 10a当
使用量
(kg)
主要雑草名 備   考
ラジノ
クロ-バ
スズメノ
カタビラ
レッド
トップ
ギシギシ タンポポ ハコベ
ドマト-ル 0.5 ++~ +++ +++ ++~+++ +++ +++ +++ 完全枯死、残っている草も若干みられた
1.0 ++ +++ +++ +++ +++ +++ 完全枯死
ハイバ-X 0.2 ++ ++ ++ ++ ++ +++ 40%くらい 草が残っている
0.5 ++ ++ +++ ++ ++ +++ 45%くらい     〃
  注) ハコベは全区完全枯死

  散布30日後の草丈および生草量(8月13日)
薬剤名 10a当
使用量
(kg)
3m2
生草量
主要雑草草丈(cm) 備   考
ラジノ
クロ-バ
スズメノ
カタビラ
レッド
トップ
ギシギシ タンポポ
ドマト-ル 0.5 460 12 15 7 わずかに再生し始める。
1.0 0 完全枯死
ハイバ-X 0.2 720 12 22 30 18 16 再生し始める
0.4 120 11 20 23 17 15    〃
無散布 散布直前 2.850 25 26 55 56 26  
散布時刈取30日後 3.230 23 24 44 47 21
放任区 4.650 26 27 62 60 27
  (5) 摘要
   ドマト-ル0.5kg区は40~45日後から一斉に再生し、65日後頃には刈取が必要となった。同じく1kgは75日後の9月末に至っても殆ど再生せず、抑草効果が極めて高かった。
  ハイバ-X0.2kg区は35日後ではほとんど再生し、45~50日後には刈取が必要になった。0.4kg区は45日後頃より本格的に再生し、60日後には刈取が必要になった。特にギシギシの再生は少ない。

 試験4 りんご幼木の根群に対する除草剤の影響に関する試験(昭和39年度)
  (1) 試験方法
薬剤名 10a当使用量 10L当展着剤
ドマト-ル 1.0kg グラミン 3cc
ハイバ-X 0.4
  (2) 散布方法および散布時間
   デリシャスの4年生幼木を供試し、側溝式根群調査法により実施
   側溝ガラス装置 7月9日 直後に黒色ビニ-ルを被覆し、更にムシロで被覆。
   除草剤の散布 7月16日 散布方法はⅠに重ずる。(側溝ガラス面に浸透しないように留意し散布)
  (3) デリシャスの幼木仮植園(2m平方に栽植)で各区1樹2反復
  (4) 調査方法
   イ)散布直後のガラス面にみられる根を観察
   ロ)根の変色、伸長度合を調査
   ハ)調査月日
    7月25日、8月5日、8月13日、9月5日
  (5) 試験成績
薬剤名 10a当
使用量
7月25日 8月5日 8月13日 9月3日
変色度 伸長度 変色度 伸長度 変色度 伸長度 変色度 伸長度
ドマト-ル 1.0kg
ハイバ-X 0.4
対照区  
  (6) 摘要
   各区とも根群に対する影響に認められなかった。

 試験5 成木草生りんご園の抑草効果に関する試験(昭和40年度)
  (1) 試験圃場の概況
 別表
  (ア)りんご
薬剤名 使用量
(10L当)
雑草効果 再生状況 60日後
の生草量
樹体への影響 総合判断 備   考
1 3 5 10 15 20 10 20 30 45 果実 生育 効果
が遅速
殺草力 抑制
期間
ドマト-ル 0.5kg - - + +++ × × なし なし -2 -2   なし なし なし なし 60日以上 刈取代用の場合草生を傷める危険性あり
1.0 - - + +++ × × なし なし -2 -2   なし なし なし なし    〃               〃

  (イ)ぶどう
薬剤名 使用量
(10L当)
雑草効果 再生状況 60日後
の生草量
樹体への影響 総合判断 備   考
1 3 5 10 15 20 10 20 30 45 果実 生育 効果
が遅速
殺草力 抑制
期間
ドマト-ル 0.5kg     ± +++ × × なし なし -2 -2 75g なし なし なし なし 60日  
1.0     ± +++ × × なし なし -2 -2 75 なし なし なし なし 60  
刈取(対照)                     1.150                

  ア)品種と樹令
   品種は混植、樹令13年生、樹冠草生への日照は良好
  イ)草生の種類とその状態
   雑草草生、繁茂の状態をあらわす被度、頻度、草丈および処理時の刈取区生草量は別表の通り

  イ)りんご
草  種 被度 頻度 草丈 草量
シバムギ 36.5 10 20cm 総量
 670g
ヤチイヌガラシ 16.5 10 5
タンポポ 11.5 6 15
ス ギ ナ 6.0 4.4 10
その他 6.5 3.2  

  ロ)ぶどう
草  種 被度 頻度 草丈 草量
シバムギ 19.0 7   総量
 1.560g
スズメノカタビラ 15.8 8  
ヤチイヌガラシ 15.0 7  
ハ コ ベ 11.4 9  
ミゾソバ 9.2 7  
タンポポ 7.8 8  
スベリヒユ 5.0 4  
その他 14.2    
  注) 1. 供試圃場概況(散布時)
     2. 処理日の天候  8月6日 晴 微風
     3. 処理方法その他
       散布器具 背負式噴露器
       散布量 150L
       展着剤 グラミン10L3cc

  (2) 成績概要
   ア- 殺草効果
    (ア)効果発現の程度
     殺草効果は別表の通りであるが、表中の記号は植調の「40年度果樹園係除草剤試験実施基準」による。
    - 効果なし
    ± 効果はわずかに認められる
    + 効果は認められるが、葉全体におよばない
    ++ 葉全体にみられるが、茎までおよばない
   +++ 葉茎ともに葉全体に効果が認められる
    × 株が枯死し再生がみられない
   イ-再生への影響
    再生程度基準は上記「試験実施基準」による。
    なし 全く再生がみられない
    -2 刈取対照区に比し著しく再生の少ないもの
    -1    〃        やや再生の少ないもの
     0     〃        同程度のもの
    +1    〃        やや多いもの
    +2    〃        著しく多いもの

 試験6. 成木ぶどう園の抑草効果に関する試験(昭和40年度)
  (1) 試験圃場の概要
  ア 品種と樹令
   品種はキャンベル、ア-リ-、ナイヤガラ混植12年生、垣根仕立、垣根は間隔が1.8m東西向きのため、地面への日照はやや不良である。
  イ 草生の種類とその状態
   従来は清耕であったが、今年は春以来処理当日(8月6日)まで中耕除草はしなかった。そのため処理時に夏草がかなり繁茂していた。被度頻度は別表の通り。
  (2) 試験区面積および反復数
  試験区は中央部に垣根を2例を通し、面積は20m2(4×5m)1区制
  (3) 殺草効果
  殺草効果は別表の通りであるが、ドマト-ルを除いた他薬剤(省略)では全面的に効果があるわけではなかった。
 ドマト-ルでは両濃度区とも非選択性の殺草効果を示した。
  (4) 再生への影響
  時期からいって1年生の夏草が多く、それらは処理の影響を受けず、種子から発芽してきた。

 Ⅲ 総合判断
供試薬剤名 殺草効果
の遅速
殺草力 草生の
抑制期間
ドマト-ル 長い
ハイバ-X 長い
カ-メックスD やや弱 やや短い
グラモキソン
中耕除草
無処理


 Ⅳ 使用上の注意
  a 幼木に対しては「ドマト-ル」は0.5kg、「ハイバ-X」は0.2kg
  b 成木に対しては「ドマト-ル」は0.5~1.0kg、「ハイバ-X」は0.2~0.4kgまでとする。
  c 砂地における使用
   薬害のおそれがあるので注意を要する。マト-ルだけは長期にわたって抑制効果を示した。これは成分中に土壌処理剤アトラジンを含めために思われる。

 実用化に対する所見
 Ⅰ 10a当り0.75~1.0kg  散布量1.50L
 Ⅱ   〃  0.3~0.5kg      〃
   (同量のサフ-フアクタントWK加用)
 Ⅲ 薬量及び選択殺草生に検討の余地あり
 Ⅳ 速効性で殺草力強いが、再生幾分早い