【普及奨励事項】
水稲のビニ−ルハウス育苗に関する試験成績 道立北見農試・上川農試・道南農試 国立農試 作物第1部 (昭和40〜42年) |
・ 目 的
ビニ−ルハウスを用いた育苗様式について、苗の生育促進と苗素質の向上および熱源の利用によらない、早播育苗の可能性の探索を目的に慣行のビニ−ルハウス冷床行く苗様式と対比して検討を加えた。
・ 試験方法
慣行のビニ−ル冷床苗代に対して、ビニ−ルハウス苗代の環境条件の差異および苗の生育の差異を、普通期播と早播で調査した。
・ 試験成果の概要
ビニ−ルハウスは、光線の利用および保温性などの育苗環境が冷床苗代に比べて総合的に改善されるため、苗の生長は促進され諸形質の増大と併せて苗素質の良化が図られている。
したがって、普通育苗でも育苗日数の短縮ができ、従来のように電熱温床を利用しなくても安全に早期育苗が可能であり、育苗管理技術も単純で省力的になる。
なお、ハウス育苗の硬化は、本田の初期生育の良化につながり生育期節も促進され、寒冷地の安全確収性を向上する上に有効な手段と考えられる。
・ 主要成果の具体的デ−タ−
苗代環境の栽
1. 光線透過率
2. 苗代温床(苗代期間平均)
苗の生育(移植時)
・ 注意事項
ビニ−ルハウスは比較的乾燥し易いので、発芽までの2重被覆の励行と、その後の土壌水分の管理を適正にすること。
日中の気温が急激に上昇する地帯では、特にハウスの換気に注意して過高温をさけること。