【普及奨励事項】
採卵鶏の省力育成法に関する試験成績
滝川畜産試験場 家きん科
(昭和41〜42年)

・ 目 的
 ひな育成の省力化と、健康な鶏の育成技術を開発するため。

・ 試験方法
 1. 期間  昭和41年6月〜昭和42年12月
 2. 試験実施場所と供試鶏
    滝川畜産試験場  ロ−ドホ−ン、デカルプ 計542羽
    檜山畜産経営指導所  ハイスドルフネルソン 計158羽
 3. 試験の内容
   ① 60日令のひなを屋外(野天)でケ−ジ飼育し、給餌、鶏ふん排除などの作業の省力化をはかるとともに、育成施設費の節減をはかった。
   ② 60日令のひなを成鶏ケ−ジに直接収容し、慣行の大びなケ−ジ使用の育成経過程をはぶいた育成法を行った。

・ 試験成果の概要
 1. 屋外(野天)育成試験の結果、従来の屋内育成の場合と変わりない良い結果(発育、育成率、生存率、産卵性等)が得られ、春から秋にかけて、約6ヵ月間は屋外飼育が可能であることがわかった。
 2. 飼料給与回数は従来1日1〜2回給与しているが、給与回数を半減しても変わりないことがわかった。(従来の給餌樋のままで)
 3. 成鶏ケ−ジを使った育成が可能であることがわかった。このため従来大びなケ−ジへの移動の手数がはぶけるばかりでなく、大びな収容の施設を節減することが出来た。

・ 主要成果の具体的デ−タ−
実施場所   年次 調査
羽数
増体量(61日〜180日令) 育成率 生存率
1日1回給餌 2日1回給餌
(%)
1回1日
(%)
1回2日
(%)
1回1日
(%)
1回2日
(%)
滝  川 屋外飼育 1966 80 1.458 1.281 82.5 92.5 77.5 75.0
1967 192 1.141 1.113 100 100 98.5 100
屋内飼育 1966 80 1.290 1.361 70.0 87.5 72.5 77.5
1967 192 1.136 1.094 100 100 97.1 100
檜  山 屋外飼育 1967 78 150日令全体重
(kg)
1.58
  100   91.2  
屋内飼育 1967 78 1.52   100   97.5  
  注) 1967年の分は滝川230日令、檜山300日令までの生存率である。

実施場所    年次 1羽1日生産卵量※※
(151日〜470日令)
飼料消費量
(1羽1日)
1回/1日 1回/2日 1回/1日 1回/2日
滝  川 屋外飼育 1966 40.9 41.25 122.7 119.4
屋内飼育 1966 41.3 40.6 116.5 116.1
檜  山 屋外飼育 1967 45.2   116.8  
屋内飼育 1967 43.4   115.8  
  注) 1)※※檜山の生産卵量は300日令までの成績
     2)屋外ケ−ジでの育成期間は両年とも6月〜11月10日間であった。

・ 奨励又は指導参考上の注意事項
 1. 屋外ケ−ジでの飼育の可能期間は5月〜10月の6ヶ月間である。
 2. 給餌樋に雨が入らないように、給餌器におおいをするが夏の直射日光を幾分でもさけられるような、被覆物(試験ではハイマットを使用)をケ−ジの天井から給餌樋の上につり下げること。