【指導参考事項】
いもち病防除における液剤と粉剤の効果比較試験成績
北海道立中央農試稲作部栽培第2科
(昭和35〜42年)

・ 目 的
 いもち病に対する、より有効で安全な新農薬の検定を行うと共に、同一薬剤でも剤形によって効果を異にする場合があるので、この試験では同種形態と液剤形態の何れの効果が優れているかを知ろうとした。

・ 試験方法
 試験品種  テルニシキ、耕種法、標準耕種(発病促進)
 面積連制  1区20〜40M23連制
 薬剤散布回数、量、年により3〜6回 粉剤10a3〜3.5kg  液剤45〜63L(濃度2〜2.5倍)
 調査方法  一般のいもち病防除試験の場合に準ずる

・ 試験成果の概要
 昭和35年〜42年の7ヶ年に亘る。いもち病防除試験における粉剤と液剤の効果を比較すると6薬剤、25試験例の大半において特に多発の条件において葉いもち病、穂いもち病では液剤の効果が優り、節いもち病においても粉剤の優る場合もあるが、液剤の効果が高いことが多かった。
 収量調査の結果も総体的に防除効果の高かった液剤区が粉剤区に優る場合が多かった。
 以上の点から防除機具や防除体制の問題もあるが、防除効果、液剤価格、液剤混合などの面から、いもち病防除には液剤が有利であると考えられる。

・ 主要成果の具体的デ−タ−
 粉剤と液剤の効果並に収量比較

・ 奨励又は指導参考上の注意事項
 病害虫防除については総べて云えることであるが、液剤散布の場合次の事項について注意しなければならない。
 1. 使用濃度、散布量に誤りのないように注意すること。
 2. 散布むらにないように注意すること。
 3. 液剤調整後は、出来るだけ速やかに散布すること。
 4. 他剤と混合する場合は混用表に従い、特に大型防除機で自動混合装置を使用する場合には注意が必要である。