【指導参考事項】
放牧草地の小型ピロプマズマ病の防除に関する試験成績 北海道立根釧農業試験場酪農科 (昭和40〜42年) |
・ 目 的
草地の放牧利用が盛んになると共に重視されて来た小型ピロプマズマ病の防除対策を確立せんとする。
・ 試験方法
過去拾数年間ピロプマズマ病の被害が甚大であった。野草放牧地が牧草地化すると共にピロ被害度が如何ように推移するかを調査した。
・ 試験成績の概要
ピロプマズマ原虫を媒介するダニは牧草地内では棲息しずらく、従ってピロプマズマ病の被害度の高い野草放牧地を牧草地化すると、ピロプマズマ原虫の感染が少なくなり、放牧効果が増大した。
・ 主要成果の具体的デ−タ−
野草放牧地であった、昭和36年において入牧時ピロプマズマ原虫陰性牛は入牧後1ヶ月で殆どがピロプマズマ原虫の感染を受け、2ヶ月後には100%陽性となった。
一方殆ど牧草地化された昭和42年度では放牧全期間を通じて28%がピロプラズマ陽性になった。
増体効果については前者では、1日増体量0.90kg、後者では0.929kgと著明な差があった。
・ 奨励又は指導参考上の注意事項
小型ピロプマズマ病の発生している野草放牧地を牧草地化すると本病の防除となるが、牧草地に若干でも自然草地が残っていると、そこで容易にダニからピロプラズマ原虫の感染を受けるので、牧棚を張って牛の侵入を阻止するなり、又は殺ダニ剤を用いて未改良区内のダニを殺滅しなけらばならない。