【指導参考事項】
寒冷地畑作物の生育促進に関する試験成績
B. えだ豆  C.高級菜豆
(昭和43〜45)

・ 目 的
 道央地帯におけるえだ豆、高級菜豆のマルチ栽培を確立する。






  昭43 昭44 昭45
えだ豆マルチ適
品種の選定



無マルチ

マルチ



×




坂本早生
十支第7910号
奥原1号
早生緑
アサミドリ








無マルチ
透明マルチ
黒色マルチ



×


全花

品種






無マルチ

マルチ



×


仝左

品種



高級菜豆マルチ
適品種の選定



無マルチ

マルチ



×


大福

白花豆



同 左 同 左


・ 試験成果の概要
 えだ豆
 1. 無マルチ区の発芽期が年次により不安定であるのに対し、マルチ区は発芽斉一で安定であり、開花始、生食適期も促進される。
 2. アサミドリを除き、他の4品種、系統はマルチにより増収するが、安定して多収を示すのは坂本早生、十支第7910号、奨励1号など早生系統である。
 高級菜豆
 1. マルチにより発芽期、成熟期とも6〜7日程度促進され、子実収量を大福で21%、白花豆で11%増収し、大福ではやや大粒化する傾向がみられた。

・ 試験成果の具体的デ−タ
 えだ豆 (3ヶ年平均)
  発芽期
(月日)
開花始
(月日)
生食
適期
(月日)
各生食適期の a当り
生莢重
(kg)
同比
(%)
草丈
(cm)
莢数
(コ)
坂本早生 無マルチ 6. 2 7. 8 8.13 24.0 24.1 54.4 100
マルチ 5.21 7. 3 8. 8 27.6 27.3 60.5 111
十支第7910号 無マルチ 6. 2 7.11 8.13 38.1 33.8 81.5 100
マルチ 5.21 7. 6 8. 8 45.0 36.9 97.4 122
奥原1号 無マルチ 6. 3 7.11 8.16 42.6 34.4 84.7 100
マルチ 5.21 7. 7 8.15 61.1 40.8 93.6 111
早生緑 無マルチ 6. 3 7.20 9. 2 46.6 41.0 109.4 100
マルチ 5.21 7.15 8.30 59.7 45.1 116.2 106
アサミドリ 無マルチ 5.31 7.19 9. 2 69.5 32.8 94.9 100
マルチ 5.21 7.16 8.30 74.1 35.3 88.0 93

 高級菜豆 (3ヶ年平均)
    発芽期
(月日)
開花始
(月日)
成熟期
(月日)
a当り
子実重
(kg)
同比
(%)
千粒重
(g)
大福 無マルチ 6. 8 7.14 9.12 24.2 100 706
マルチ 6. 2 7.13 9. 5 29.4 121 728
白花豆 無マルチ 6. 9 7.10 10.1 22.7 100 1499
マルチ 6. 2 7. 6 9.25 25.3 111 15.7

・ 指導参考上の注意事項
 えだ豆
 1. 施肥は5割増とし、全面全層に施用する。
 2. 施肥後、均平にし、除草剤散布後、マルチを設置する。マルチ資材としてはポリシ−ト(9215)がよい。
 3. マルチ後、ホ−ル部に播種する。
 4. マルチ設置はマルチャ−により省力化できる。
 高級菜豆
 1. 施肥は作條施肥とし、よくカクハン後、均平にし除草剤を散布し、マルチを設置する。マルチ巾は35〜40cmとする。マルチ資材はテンサイ用シ−トがよい。
 2. 播種は1つおきのホ−ル部に播種する。
 3. マルチ設置はマルチャ−により省力化できる。