【指導参考事項】
てん菜の生育期間延長による多収技術確立試験
(昭和43〜45)
中央農試畑作部

・ 目 的
 直播栽培における初期生育の促進と生育期間延長による増収技術確立の一貫として超早播きを実施、かつ地温上昇土壌水分の保持により、発芽並びに稚苗の生育促進の目的でポリフィルムマルチを行い、さらにマルチ下の施肥法、秋施肥法等について検討する。

・ 試験方法
 播種時期   4月上旬、4月下旬
 マルチ資材  透明フィルム、黒色フィルム
 マルチ時期  前年秋 春播種直前
 施肥形態   普通化成、緩効性肥料入化成、硝化抑制剤入化成
 施肥時期   前年秋 春播種直前

試験成果の概要
 超早播き効果に関する試験
 (1) 透明フィルムマルチによる地温上昇効果および土壌水分保持効果は極めて顕著である。
 (2) 超早播きおよび超早播きマルチによる初期生育促進効果は大きい。
 (3) 超早播きおよび超早播きマルチにより10〜20%の増収が
期待されるが、発芽率が不安定でそれに対する技術的対策が未解決である。
 超早播きにおける施肥法
 (1) IB50化成、Mu50化成、AM200入り化成の発芽率向上効果は認められるが、なお不十分である。
 (2) IB50化成、Mu50化成により7〜17%の増収が期待されるが検討不十分である。

 (1) マルチによる地温上昇効果 (旬別平均地温 ℃)(43年)
区 別 測定項目 4月
中旬
4月
下旬
5月
上旬
5月
中旬
5月
下旬
6月
上旬
6月
中旬
6月
下旬
透明マルチ 最高地温 16.3 15.7 21.9 17.5 16.7 23.8 22.9 25.7
最低 〃 3.1 5.3 9.2 8.3 9.2 11.5 13.0 14.3
無マルチ 最高地温 12.2 12.2 17.3 14.7 14.6 20.6 22.4 25.0
最低 〃 2.2 5.0 7.9 7.5 8.6 10.3 11.2 12.1

 (2) マルチによる土壌水分保持効果 (44年)

 (3) 生育初期の草丈・葉数および収穫期、根重に対する処理効果
区  別/
項  目
43年 44年






















超IB
早50
播施
マ用

  IB
  50
〃施
  用

  AM
  200
〃 施
  用
























草丈 (cm) 20.0 23.4 11.7 18.9 29.8 39.5 36.1 34.2 36.3 31.2 32.1 23.2 45.8
葉数 (枚) 10.3 10.6 5.9 8.1 10.7 13.5 12.3 11.5 12.1 10.4 10.4 8.7 13.6
根重 (kg/10a) 6237 7063 5698 6261 7134 4833 4408 3991 4133 3686 4446 4115 5472