【指導参考事項】
飼料生産のための水田の供給的利用技術の確立に関する研究
昭和44年〜
北海道農試 土肥第4  (木下 彰)

・ 目 的
 水田転換畑における各種飼料作物の土壌水分に対する感応性を知る。

・ 試験方法
 コンクリ−ト枠(面積2m×3m=6m2、深さ60cm)に、月寒乾性火山灰土壌を填め、地下水位を20cm、30cm、50cmとして、イネ科8オ−チャ−ド、チモシ−、イタリアンライ)、マメ科(アルファルファ、アカクロ−バ、ラジノクロ−バ)を播種・栽培し、刈取り収量、根の分布を調査。

・ 試験成果の概要
 1. 地下水位の飼料作物の生育への影響は生育ステ−ジによって異なる。すなわち、発芽は水位が高いほど良好であるが、初期生育は水位が高い方が劣る。しかし、蒸散量の増す生育盛期には水位が高い方がよくなる。(ただし、アルファルファのみ逆)。
 2. 刈取り収量より水分感応性は、状の如く分散される。
  過湿によわいもの…… アルファルファ
  中常温度で好適………オ−チャ−ド、チモシ−
  湿間を好むもの……… イタリアン、アカクロ−バ、ラジノクロ−バ

・ 主要成果の具体的デ−タ
 年間刈取り草生収量 (g/m2)
草  種 年 次 地下水位 (cm)
20 30 50
オ−チャ−ド 1年目 1.221 1.094 1.168
2年目 4.290 4.450 4.720
イタリアン 1年目 3.015 2.320 2.310
2年目* 3.780 3.360 2.950
チモシ− 1年目 720 420 534
2年目 4.060 3.740 3.740
アルファルファ 1年目 739 648 521
2年目 410 750 2.320
アカクロ−バ 1年目 1.799 1.775 1.847
2年目 5.230 4.400 3.930
ラジノクロ−バ 1年目 1.422 1.463 1.650
2年目 4.620 4.100 4.600
  注) * まき直しの1年草

・ 普及上の注意事項
 1. この成績は発達のよわい粒状構造の土壌によるものであり、この成績の活用にあたっては、土壌構造の種類を考慮する必要がある。