【指導参考事項】
スイートコーンの機械収穫に関する試験
昭和44〜45年度
北海道農業試験場畑作部 機械化栽培研究室

・ 目 的
 スイ−トコ−ンの収穫における労働力不足の解消と労働生産性の向上などの観点から機械化収穫技術の確立を計る。

・ 試験方法
 1) 供試機:コ−ンスナッパ(フォ−ド601直送型1畦用)
 2) 試験箇所・年次・品種・性状
年次 試験個所・期日 供試品種 採植条件
(cm)
草丈
(cm)
着穂高
(cm)
収穫時
含水率
(%)
試験番号
昭44 芽室町・北農試畑作部
9月19日、9月22日
G・C・B 65×35 試験Ⅰ
昭45 芽室町・北農試畑作部
8月17日、8月19日
G・B 65×35 158.0 12.0〜
34.0
69.2 試験Ⅱ
芽室町 島崎農場
9月4日
G・C・B 60× 47 試験Ⅲ
芽室町 宗像農場
9月29日
G・C・B 60×47 試験Ⅳ
Midway 90×30 268.6 65〜88 試験Ⅴ
芽室町 9月25日 G・C・B 90×30 248.1 64〜78 試験Ⅵ
東洋農場 10月8日 Midway 90×30 226.3 65〜88 試験Ⅶ


・ 試験結果の概要
 1) 昭和44年度はゴ−ルデンクロスバンタムを供試して試験を行った結果最高80%程度の収穫率を上げ得ることができたが昭和45年度は機械を若干改良し90〜100%の収穫率に増大することができた。
 2) しかし、ほ場条件、すなわち作物の立毛条件、雌穂の形状などの差異によって、収穫率が異なることは他のとうもろこし収穫機械のコ−ンピッカ、コンバインと同一傾向を示した。
 3) 耐倒伏性品種のゴ−ルデンビュテ−およびミッドウエイは立毛状態が良好なことと、雌穂の形状が太いため、機械適応性品種としての特性をもつことが認められた。
 4) スイ−トコ−ンの機械収穫に際して、やや時期的な差異が認められ、未熟雌穂の収穫はできるだけ避けることを必要とする。
 5) 収穫率(経済雌穂割合)と雌穂供給の関係はおよそ1.0〜2.3本/sec(作業速度0.45〜0.75m/sec)が適当と思われた。
 6) スナッピングロ−ル間隙は先端で29〜30㎜程度が良くロ−ル間隙が狭くなるとロ−ルによって茎稈が切断され脱穂部につまり、トラブルの原因となる。

・ 主要成果の具体的データ
          試験Ⅱ

       雌穂供給量(本/sec)


          試験Ⅲ

       雌穂供給量(本/sec)


          試験Ⅳ

       雌穂供給量(本/sec)


           試験Ⅴ

       雌穂供給量(本/sec)

・ 指導上の注意事項
 品種、栽培法によって倒伏をさける。機械収穫におけるスイ−トコ−ンの分けつ(茎稈供給量)の問題が明確にされなかった。