【普及奨励事項】
(総) 牧草の地域別適種・適品種の選定と混播法に関する試験
 3. アルファルファの適品種選定試験
(昭和42〜45年)
道立中央農業試験場 畜産部

・ 目 的
 当地域に適した栄養生産性と永続性の大きい品種を選定する。

・ 試験方法
 アルファルファ10品種につき、1区6㎡乱塊法、3反復で5ヶ年間の生草収量、4ヶ年間の成分収量を比較すると共に永続性を検討した。

・ 試験成果の概要
 同一施肥・刈取条件で比較した結果
 1. 5ヶ年合計栄養収量ではサラナックが最も多く次いでアルファ、デュピュイであり、他はすべてデュピュイ以下であった。
 2. 4ヶ年合計風乾物収量ではサラナックが最も高く、次いでアルファ、ナラガンセット(Ⅲ)デュピュイであり、他はすべてデュピュイ以下であった。
 3. 3ヶ年合計の粗蛋白収量ではサラナック、アルファが最も高く、次いでライゾ−マ(Ⅲ)、デュピュイであり、他はすべてデュピュイ以下であった。
 4. 3ヶ年合計の可溶性無窒素物生産量ではサラナックが最も高く、次いでアルファ、デュピュイであり、他はすべてデュピュイ以下であった。
 5. 永続性ではナラガンセットがやや大きく、次いでデュピュイ、グリム、ウィリアムズハンク、サラナックなどであり、アルファ、カユ−ガは小さい傾向が認められた。
 6. 以上からサラナックが奨励品種候補として差仕えないものと思われる。

・ 主要成果の具体的データ
 5ヶ年合計生草量、4ヶ年合計風乾量、3ヶ年合計成分収量
品 種 生草重 風乾重 D.M.(%) C.P. C.Fat C.Fib C.A. NFE
アルファ 105.5 109.5 108.3 107.5 115.9 114.9 103.7 105.1
バッファロ− 80.0 86.9 80.6 82.2 88.5 82.7 77.8 78.5
カユ−ガ 90.9 99.8 86.6 91.1 99.1 83.9 85.0 85.5
デュピュイ 100.0
27.386
100.0
5.640
100.0
4.402
100.0
947
100.0
113
100.0
116
100.0
459
100.0
1.717
グリム 84.7 87.4 82.5 84.0 85.0 83.0 86.3 80.3
ナラガンセットⅠ 97.1 97.5 93.5 92.0 110.6 88.7 95.9 95.5
    〃    Ⅱ 99.7 101.7 96.6 95.6 101.8 97.9 99.1 95.5
ライゾ−マ Ⅰ 96.6 99.8 88.7 96.6 111.5 95.5 93.7 87.4
  〃    Ⅱ 99.1 95.7 93.2 100.6 112.4 89.0 98.5 89.2
サラナック 109.9 114.6 111.2 107.3 120.3 111.2 111.1 112.7
バァ−ナル 89.2 90.9 84.5 81.9 91.1 88.7 78.6 84.2
ウィリアムスパ−ク 96.8 98.7 92.8 94.8 103.5 91.3 92.6 92.1

 年次別収量の推移(%)
品種 生草収量 風乾収量
41年 42年 43年 44年 45年 42年 43年 44年 45年
A 29.9 82.9 100.0 109.8 86.8 80.7 100.0 114.6 85.8
B 23.9 98.0 100.0 101.4 96.5 105.5 100.0 128.8 96.8
C 26.3 87.3 100.0 87.3 79.4 91.2 100.0 101.8 78.4
D 30.8 83.9 100.0 100.1 91.4 88.7 100.0 112.9 100.4
G 32.8 92.5 100.0 101.3 100.9 100.6 100.0 129.8 99.4
NⅠ 30.7 83.9 100.0 97.0 91.4 91.2 100.0 121.6 106.4
NⅡ 29.4 94.1 100.0 111.0 105.2 97.3 100.0 136.8 110.9
RⅠ 32.6 85.3 100.0 100.4 91.2 89.3 100.0 113.2 95.6
RⅡ 30.5 89.5 100.0 104.7 90.2 98.0 100.0 123.9 94.8
S 28.2 94.5 100.0 105.4 91.5 100.1 100.0 135.6 97.7
V 29.3 103.9 100.0 97.9 91.8 103.5 100.0 116.4 96.1
W 30.2 89.3 100.0 98.4 93.4 100.0 100.0 122.0 98.1

・ 普及指導上の注意事項
 1. 永続性については今後更に試験を続行する。
 2. 適用地域は昨年の成績を含め道北を包含する。
 3. すべてアルファルファ栽培適地に限る。